南風はえ)” の例文
南風はえの時は何処、東風こちでは釣れぬ、そよそよ北風がよい、その他雨上り、水の濁り、曇り工合、又朝夕のマヅメ時——といつた状況が会得されてくる。
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
そこで首里の方では島尻しまじり地方から来た連中を真和志まわし平等ひらに置き、中頭なくがみ地方から来た連中を南風はえの平等に置き、国頭くんじゃん地方から来た連中をにしの平等に置き
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
すると絲満南風はえ太郎は、自分の郷里の絲満から、二百人あまりの人間をだましてつれてきて、これを道庁の請負の大林組へ一人八十円パで売り飛ばした。売られた方はたまらない。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
この辺では穏やかでないこち寄りの南風はえが数日来、絶え間なしに吹いているところで、追手の風でも余程自信のある船頭でないと船を出せるものでないことが商売柄千六にはよくわかっていた。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
南風はえのむた真夏大野を我が飛ぶと明日待ちかねつ心あがりに
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
南風はえすずし籠飼ろうげあげをるふなわきをわが舟にして声はかけつつ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
南風はえにして千石船の箱ぐるま金比羅までも我は曳かせつ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
南風はえが吹けば菜の花畑のあかるい空に
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
南風はえが吹きあげる。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)