“幟町”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のぼりちょう66.7%
のぼりまち33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家の跡を見て来ようと思って、私は猿猴橋えんこうばしを渡り、幟町のぼりちょうの方へまっすぐにみちを進んだ。左右にある廃墟はいきょが、何だかまだあの時の逃げのびて行く気持を呼起すのだった。
廃墟から (新字新仮名) / 原民喜(著)
翌日の夕方、彼は広島駅で下車すると、まっすぐに幟町のぼりちょうの方へ歩いて行った。道路に面したガラス窓から何気なく内側をのぞくと、ぼんやりと兄の顔が見え、兄は手真似てまねで向うへ廻れと合図した。
永遠のみどり (新字新仮名) / 原民喜(著)
小説家の山中峯太郎君が、広島市の幟町のぼりまちにいたころのことであった。それは山中君がまだ九つの時で、某夜あるよ近くの女学校が焼けだしたので、家人は裏の畑へ往ってそれを見ていた。
天井からぶらさがる足 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)