“廃墟”のいろいろな読み方と例文
旧字:廢墟
読み方割合
はいきょ94.2%
はいきよ3.8%
ルインス1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
川に面した断崖の上で、石垣も塁も乱雑たる廃墟はいきょだったが、今でも土を掘れば、刀の折れや、焼けたもみなどが出る、ということである。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
人面を現はした石積の塔がそびえてゐてね、部屋々々の石柱は、傾き、石粱せきりやうは落ちかけて、この山石の、廃墟はいきよの前庭には、おほきな樹が、倒れかけた擁壁ようへきを支へてゐるし、こゝの
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
まるで廃墟ルインスだと思いながら、また室の中に這入はいると、寝床には雪のような敷布シートがかかっている。ゆかにはやわらかい絨毯じゅうたんが敷いてある。豊かな安楽椅子がえてある。器物はことごとく新式である。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)