寛濶おうよう)” の例文
ここにいて目に見ねばこそ威張って居らるれ、御開帳ののぼりのように頭を振って居るさまを見られたらなんぼ十兵衛殿寛濶おうような気性でも、お気の毒ながら魂魄たましいがふわりふわりとならるるであろう
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
取り分け職人仲間の中でも世才にうとく心好き吾夫うちのひと、腕は源太親方さえ去年いろいろ世話して下されしおりに、立派なものじゃとめられしほど確実たしかなれど、寛濶おうよう気質きだてゆえに仕事も取りはぐりがちで
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)