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折
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をり
ふりがな文庫
“
折
(
をり
)” の例文
あはれ
新婚
(
しんこん
)
の
式
(
しき
)
を
擧
(
あ
)
げて、
一年
(
ひとゝせ
)
の
衾
(
ふすま
)
暖
(
あたゝ
)
かならず、
戰地
(
せんち
)
に
向
(
むか
)
つて
出立
(
いでた
)
つた
折
(
をり
)
には、
忍
(
しの
)
んで
泣
(
な
)
かなかつたのも、
嬉涙
(
うれしなみだ
)
に
暮
(
く
)
れたのであつた。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
云掛る人など有て
五月蠅
(
うるさく
)
も腹
立敷
(
だたしき
)
折
(
をり
)
も有ども何事も夫の爲且は
情
(
なさけ
)
ある亭主への
恩報
(
おんはう
)
じと思へば氣を
取直
(
とりなほ
)
して
宜程
(
よきほど
)
にあしらひつゝ月日を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
又
(
また
)
かや
此頃
(
このごろ
)
折
(
をり
)
ふしのお
宿
(
とま
)
り、
水曜會
(
すゐようくわい
)
のお
人達
(
ひとたち
)
や、
倶樂部
(
ぐらぶ
)
のお
仲間
(
なかま
)
にいたづらな
御方
(
おかた
)
の
多
(
おほ
)
ければ
夫
(
そ
)
れに
引
(
ひ
)
かれて
自
(
おの
)
づと
身持
(
みもち
)
の
惡
(
わる
)
う
成
(
な
)
り
給
(
たま
)
ふ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すぐに
庫裏
(
くり
)
の
玄関先
(
げんくわんさき
)
へ
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
ると、
折
(
をり
)
よく
住職
(
ぢゆうしよく
)
らしい
年配
(
ねんぱい
)
の
坊
(
ばう
)
さんが
今
(
いま
)
がた
配達
(
はいたつ
)
されたらしい
郵便物
(
いうびんぶつ
)
を
見
(
み
)
ながら
立
(
た
)
つてゐたので
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
仕舞
(
しまひ
)
には
足
(
あし
)
が
痛
(
いた
)
んで
腰
(
こし
)
が
立
(
た
)
たなくなつて、
厠
(
かはや
)
へ
上
(
のぼ
)
る
折
(
をり
)
などは、やつとの
事
(
こと
)
壁傳
(
かべづた
)
ひに
身體
(
からだ
)
を
運
(
はこ
)
んだのである。
其
(
その
)
時分
(
じぶん
)
の
彼
(
かれ
)
は
彫刻家
(
てうこくか
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたし
)
は
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
つて、
折
(
をり
)
から
運
(
はこ
)
ばれて
來
(
き
)
た
金盥
(
かなだらひ
)
のあたゝな
湯氣
(
ゆげ
)
の
中
(
なか
)
に、
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
から
搖
(
ゆる
)
ぎ
落
(
お
)
ちたやうな
涙
(
なみだ
)
を
靜
(
しづ
)
かに
落
(
おと
)
したのであつた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
かくて
互
(
たが
)
ひに
衝
(
つ
)
いつ
撃
(
う
)
っつの
折
(
をり
)
から、おひ/\
多人數
(
たにんず
)
馳加
(
はせくは
)
はり、
左右
(
さいふ
)
に
別
(
わか
)
れて
戰
(
たゝか
)
ふ
處
(
ところ
)
へ、
領主
(
との
)
が
見
(
み
)
えさせられ、
左右
(
さう
)
なく
引別
(
ひきわけ
)
と
相成
(
あひな
)
りました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
善は急げと、其日すぐお由の家に
移転
(
うつ
)
つた。重兵衛の後に
跟
(
つ
)
いて
怖々
(
おづおづ
)
入つて来る松太郎を見ると、
生柴
(
なましば
)
を
大炉
(
おほろ
)
に
折
(
をり
)
燻
(
く
)
べてフウフウ吹いてゐたお由は、
突然
(
いきなり
)
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
折
(
をり
)
ふし
童
(
わらべ
)
が外より垣をやぶりて入りたるその
穴
(
あな
)
より両人くゞりいでしは、これも又
可笑
(
をかしき
)
一ツにてぞありし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これでみなさんも
山
(
やま
)
に
關
(
かん
)
するいろ/\なことを
覺
(
おぼ
)
えられたので、
折
(
をり
)
があつたら
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
にも
登
(
のぼ
)
つて
實際
(
じつさい
)
について
見
(
み
)
られると、
一層
(
いつそう
)
興味
(
きようみ
)
があるでせう。——(終)——
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
少時
(
しばらく
)
すると由三は、薄茶のクシャ/\となツた中
折
(
をり
)
を被ツて、
紺絣
(
こんがすり
)
の
單衣
(
ひとへ
)
の上に、
丈
(
たけ
)
も裄も引ツつまツた間に合せ物の羽織を着て、庭の方からコソ/\と家を出た。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
しかし、いろ/\
合
(
あは
)
せて、もう千
余
(
よ
)
枚
(
まい
)
を數へる
印畫
(
いんぐわ
)
のアルバムを時
折
(
をり
)
繰眺
(
くりなが
)
めるのは、
樂
(
たのし
)
く
愉快
(
ゆくわい
)
である。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
折
(
をり
)
や箱に貼つてある菓子の名を記した小紙片、謂はば菓子の名札であるところの物、美しい絵や模様を描いた包み紙、箱の中に添へてある絵画詩歌などを書いた小箋。
菓子の譜
(新字旧仮名)
/
岩本素白
(著)
猶且
(
やはり
)
毎朝
(
まいあさ
)
のやうに
此
(
こ
)
の
朝
(
あさ
)
も
氣
(
き
)
が
引立
(
ひきた
)
たず、
沈
(
しづ
)
んだ
調子
(
てうし
)
で
或
(
あ
)
る
横町
(
よこちやう
)
に
差掛
(
さしかゝ
)
ると、
折
(
をり
)
から
向
(
むかふ
)
より
二人
(
ふたり
)
の
囚人
(
しうじん
)
と四
人
(
にん
)
の
銃
(
じゆう
)
を
負
(
お
)
ふて
附添
(
つきそ
)
ふて
來
(
く
)
る
兵卒
(
へいそつ
)
とに、ぱつたりと
出會
(
でつくわ
)
す。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
恁
(
か
)
う
言
(
い
)
ふと、
或
(
あるひ
)
は
嗤
(
わら
)
ふ
人
(
ひと
)
があるかも
知
(
し
)
れぬ。が、
其
(
それ
)
は
秘密
(
ひみつ
)
がなかつた
折
(
をり
)
のことで、
若
(
も
)
し
有
(
あ
)
つたら、
其
(
それ
)
こそ
大事
(
だいじ
)
だ。
私
(
わたし
)
は
寧
(
むし
)
ろ
此不安
(
このふあん
)
を
消
(
け
)
すために、
私
(
そつ
)
と四
畳半
(
でふはん
)
へ
忍込
(
しのびこ
)
んだ。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
博士はその
折
(
をり
)
鯛の塩焼を
突
(
つゝ
)
ついてゐたが、
吃驚
(
びつくり
)
して箸を持つた儘女中の顔を見た。女中は笑つたら所得税でも掛るやうに、両手を膝の上に重ねて、ちやんと済ましてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
折
(
をり
)
しも
愛
(
あい
)
ちやんは、
大廣間
(
おほびろま
)
の
屋根
(
やね
)
で
頭
(
あたま
)
を
打
(
う
)
ちました。
實際
(
じつさい
)
愛
(
あい
)
ちやんは
今
(
いま
)
九
尺
(
しやく
)
以上
(
いじやう
)
も
身長
(
せい
)
が
高
(
たか
)
くなつたので、
直
(
す
)
ぐに
小
(
ちひ
)
さな
黄金
(
こがね
)
の
鍵
(
かぎ
)
を
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げ、
花園
(
はなぞの
)
の
入口
(
いりくち
)
へ
急
(
いそ
)
いで
行
(
ゆ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
仲善
(
なかよ
)
しの
象
(
ぞう
)
と
熊
(
くま
)
とは、
折
(
をり
)
ふし、こんな
悲
(
かな
)
しい
話
(
はなし
)
をしてはおたがひの
身
(
み
)
の
不幸
(
ふしあはせ
)
を
嘆
(
なげ
)
きました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
折
(
をり
)
ふし
鵞鳥
(
がてう
)
のやうな
聲
(
こゑ
)
で
唱
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
す
歌
(
うた
)
の
調
(
しら
)
べは
左迄
(
さまで
)
妙手
(
じやうず
)
とも
思
(
おも
)
はれぬのに、
唱
(
うた
)
ふ
當人
(
たうにん
)
は
非常
(
ひじやう
)
の
得色
(
とくしよく
)
で、やがて
彈奏
(
だんそう
)
が
終
(
をは
)
ると
小鼻
(
こばな
)
を
蠢
(
うごめ
)
かし、
孔雀
(
くじやく
)
のやうに
裳
(
もすそ
)
を
飜
(
ひるが
)
へして
席
(
せき
)
に
歸
(
かへ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ヌエは
内衣嚢
(
うちがくし
)
から
白耳義
(
ベルジツク
)
の雑誌に載つた自分の詩の六
頁
(
ペイジ
)
折
(
をり
)
の抄本を出して
之
(
これ
)
を読んで
呉
(
く
)
れと云つた。日本と
異
(
ちが
)
つて
作物
(
さくぶつ
)
が印刷されると云ふ事は欧洲の若い文人に取つて容易で無い。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
君
(
きみ
)
はあれから
奥州
(
あうしう
)
の
塩竈
(
しほがま
)
まで
行
(
い
)
つたか、
相変
(
あひかは
)
らず心に
懸
(
か
)
けられて
書面
(
しよめん
)
を
贈
(
おく
)
られて誠に
辱
(
かたじ
)
けない、
丁度
(
ちやうど
)
宴会
(
えんくわい
)
の
折
(
をり
)
君
(
きみ
)
の
書状
(
しよじやう
)
が
届
(
とゞ
)
いたから、
披
(
ひら
)
く
間
(
ま
)
遅
(
おそ
)
しと
開封
(
かいふう
)
して
読上
(
よみあ
)
げた所が、
皆
(
みんな
)
感服
(
かんぷく
)
をしたよ
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼女
(
かれ
)
は、それをじつと
見
(
み
)
つめてゐると、また
昔處女
(
むかしゝよぢよ
)
であつた
折
(
をり
)
に、
病
(
やまひ
)
の
爲
(
た
)
めに
常
(
つね
)
に
淋
(
さび
)
しかつた
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こゝろ
)
を
思出
(
おもひだ
)
したのであつた。まち
子
(
こ
)
の
足
(
あし
)
は、十六の
終
(
をは
)
り
頃
(
ころ
)
から
人
(
ひと
)
なみに
座
(
すは
)
ることが
出來
(
でき
)
なかつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
うまい
折
(
をり
)
がなくて、牛込見附まで來ると、下度引越車が通りかゝつた。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
はかなしや
霞
(
かすみ
)
のころもたちしまに花の
紐
(
ひも
)
とく
折
(
をり
)
も来にけり
源氏物語:50 早蕨
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
の
炎燄
(
ほむら
)
を
吐
(
は
)
く
折
(
をり
)
から、
將軍
(
しやうぐん
)
此度
(
このたび
)
桃太
(
もゝた
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
折
(
をり
)
から、
従弟
(
いとこ
)
は
当流
(
たうりう
)
の一
派
(
ぱ
)
とゝもに、九
州地
(
しうぢ
)
を
巡業中
(
じゆんげふちう
)
で
留守
(
るす
)
だつた。
細君
(
さいくん
)
が、
園
(
その
)
と
双方
(
さうはう
)
を
兼
(
か
)
ねて
見舞
(
みま
)
つた。
其
(
そ
)
の三
度
(
ど
)
めの
時
(
とき
)
の
事
(
こと
)
なので。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
せんものと思ひ居たりし
折
(
をり
)
から不※
目違
(
めちがひ
)
の品を
買込
(
かひこみ
)
みす/\損毛をなせしが始にて二三度
打續
(
うちつゞ
)
き商ひの
手違
(
てちが
)
ひより松右衞門は心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其の
折
(
をり
)
私達は船長がこの小さな
帆前船
(
ほまへせん
)
を
操
(
あやつ
)
つて遠く南洋まで航海するのだといふ話を聞き、全くロビンソンの冒険談を読むやうな感に打たれ
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
はて
誰
(
た
)
れでも
出
(
で
)
て
來
(
こ
)
よ
此姿
(
このすがた
)
に
何
(
なに
)
として
見覺
(
みおぼ
)
えがあるものかと
自問自答
(
じもんじたふ
)
折
(
をり
)
しも
樓婢
(
ろうひ
)
のかなきり
聲
(
ごゑ
)
に、
池
(
いけ
)
の
端
(
はた
)
から
來
(
き
)
た
車夫
(
くるまや
)
さんはお
前
(
まへ
)
さんですか。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
風に
逆
(
さから
)
つて
抛
(
な
)
げた
折
(
をり
)
の
蓋
(
ふた
)
が
白
(
しろ
)
く舞ひ戻つた様に見えた時、三四郎は飛んだ事をしたのかと気が付いて、
不途
(
ふと
)
女の顔を見た。顔は
生憎
(
あいにく
)
列車の
外
(
そと
)
に出てゐた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
折
(
をり
)
ふし
童
(
わらべ
)
が外より垣をやぶりて入りたるその
穴
(
あな
)
より両人くゞりいでしは、これも又
可笑
(
をかしき
)
一ツにてぞありし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そして本
科
(
くわ
)
二三年の時分には百五十
點
(
てん
)
にまでせり
登
(
のぼ
)
つて、
球突塲
(
たまつきば
)
の
常連
(
ぜうれん
)
でも大
關格
(
せきかく
)
ぐらゐになつたが、何としてもその
折
(
をり
)
々の
氣
(
き
)
分に左右され勝ちな
自
(
じ
)
分の本
性
(
せい
)
は
爭
(
あらそ
)
へなかつた。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
三
月
(
ぐわつ
)
の
末
(
すゑ
)
つ
方
(
かた
)
、
消
(
き
)
えがてなりし
雪
(
ゆき
)
も、
次第
(
しだい
)
に
跡
(
あと
)
なく
融
(
と
)
けた
或夜
(
あるよ
)
、
病院
(
びやうゐん
)
の
庭
(
には
)
には
椋鳥
(
むくどり
)
が
切
(
しき
)
りに
鳴
(
な
)
いてた
折
(
をり
)
しも、
院長
(
ゐんちやう
)
は
親友
(
しんいう
)
の
郵便局長
(
いうびんきよくちやう
)
の
立歸
(
たちか
)
へるのを、
門迄
(
もんまで
)
見送
(
みおく
)
らんと
室
(
しつ
)
を
出
(
で
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
折
(
をり
)
悪
(
あ
)
しく、橘仙氏はすつかり燭台の一件を忘れてしまつてゐたので変な顔をした。そしてその日の夕方
漸
(
やつ
)
とそれを思ひ出したので、
態々
(
わざ/\
)
相国寺の方へ向いて、声を出して笑つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其
(
その
)
方法
(
てだて
)
ぢゃが……おゝ、
害心
(
がいしん
)
よ、ても
速
(
はや
)
う
入
(
はひ
)
って
來
(
き
)
をるなア、
絶望
(
ぜつばう
)
した
者
(
もの
)
の
胸
(
むね
)
へは!……
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
すは
彼
(
あの
)
藥種屋
(
やくしゅや
)
……たしか
此邊
(
このあたり
)
に
住
(
す
)
んでゐる
筈
(
はず
)
……いつぞや
見
(
み
)
た
折
(
をり
)
は、
身
(
み
)
に
襤褸
(
つゞれ
)
を
着
(
ゆ
)
て
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それから
談話
(
はなし
)
にはまた
一段
(
いちだん
)
の
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
いて、
日永
(
ひなが
)
の五
月
(
ぐわつ
)
の
空
(
そら
)
もいつか
夕陽
(
ゆうひ
)
が
斜
(
なゝめ
)
に
射
(
さ
)
すやうにあつたので、
私
(
わたくし
)
は
一先
(
ひとま
)
づ
暇乞
(
いとまごひ
)
せんと
折
(
をり
)
を
見
(
み
)
て『いづれ
今夜
(
こんや
)
弦月丸
(
げんげつまる
)
にて——。』と
立
(
た
)
ちかけると
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
折
(
をり
)
も
折
(
をり
)
、
愛
(
あい
)
ちやんは
少
(
すこ
)
しく
離
(
はな
)
れて
池
(
いけ
)
の
中
(
なか
)
で
何
(
なに
)
かゞ
水音
(
みづおと
)
を
立
(
た
)
てゝるのを
聞
(
き
)
きつけ
何
(
なん
)
だらうかと
思
(
おも
)
ひつゝ
傍
(
そば
)
へ/\と
泳
(
およ
)
いで
行
(
ゆ
)
きました。
初
(
はじ
)
め
愛
(
あい
)
ちやんは、それが
海象
(
かいざう
)
か
河馬
(
かば
)
に
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
紙入の下には、八つに疊んだ眞新しい手拭と、一と
折
(
をり
)
の
懷
(
ふとこ
)
ろ紙。
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
前刻
(
さつき
)
、
菅
(
すが
)
さんに
逢
(
あ
)
つた
時
(
とき
)
、
私
(
わたし
)
は
折
(
をり
)
しも
紅
(
あか
)
インキで
校正
(
かうせい
)
をして
居
(
ゐ
)
たが、
組版
(
くみはん
)
の
一面
(
いちめん
)
何行
(
なんぎやう
)
かに、ヴエスビヤス、
噴火山
(
ふんくわざん
)
の
文宇
(
もんじ
)
があつた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
落
(
ち
)
り
過
(
す
)
ぎたる
紅葉
(
もみぢ
)
に
庭
(
には
)
は
淋
(
さび
)
しけれど、
垣
(
かき
)
の
山茶花
(
さゞんか
)
折
(
をり
)
しり
顏
(
かほ
)
に
匂
(
にほ
)
ひて、
松
(
まつ
)
の
緑
(
みどり
)
のこまやかに、
醉
(
よ
)
ひすゝまぬ
人
(
ひと
)
なき
日
(
ひ
)
なりける。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
助かり
剩
(
あまつ
)
さへ廿兩といふ金子を
御惠下
(
おめぐみくだ
)
されし
御庇蔭
(
おかげ
)
を以て今日まで存命仕つる事千萬有難く存じ奉つり候然るに彼の
折
(
をり
)
國元
(
くにもと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
折
(
をり
)
から
貸
(
かし
)
ボート
屋
(
や
)
の
桟橋
(
さんばし
)
には
舷
(
ふなばた
)
に
数知
(
かずし
)
れず
提燈
(
ちやうちん
)
を
下
(
さ
)
げた
凉船
(
すゞみぶね
)
が
間
(
ま
)
もなく
纜
(
ともづな
)
を
解
(
と
)
いて
出
(
で
)
やうとするところらしく、
客
(
きやく
)
を
呼込
(
よびこ
)
む
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
が一
層
(
そう
)
甲高
(
かんだか
)
に
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
私
(
わたくし
)
も
好
(
い
)
い
折
(
をり
)
があれば、御
詫
(
わび
)
をして
上
(
あ
)
げます。それ迄は今迄通り遠慮して入らつしやる方が
宜
(
よ
)
う御座います。……
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
○さて此娘、 尊用なりとて
急
(
いそぎ
)
のちゞみをおりかけしに、
折
(
をり
)
ふし
月水
(
ぐわつすゐ
)
になりて 御
機屋
(
はたや
)
に入る事ならず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その後
間
(
ま
)
もなく、ちやうど三
浦
(
うら
)
三
崎
(
さき
)
の
宿屋
(
やどや
)
に
滯在
(
たいざい
)
中に訃音に
接
(
せつ
)
した時、
私
(
わたし
)
はまだあまりにまざまざしいその
折
(
をり
)
の
印象
(
いんせう
)
を
思
(
おも
)
ひ出させられるだけに、
哀悼
(
あいとう
)
の
氣
(
き
)
持も一そう
痛切
(
つうせつ
)
だつた。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
折
(
をり
)
しもモイセイカは
外
(
そと
)
から
歸
(
かへ
)
り
來
(
きた
)
り、
其處
(
そこ
)
に
前院長
(
ぜんゐんちやう
)
のゐるのを
見
(
み
)
て、
直
(
すぐ
)
に
手
(
て
)
を
延
(
のば
)
し
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
人目
(
ひとめ
)
を
避
(
さ
)
くるは
相身互
(
あひみたが
)
ひ、
浮世
(
うきよ
)
を
煩
(
うるさ
)
う
思
(
おも
)
ふ
折
(
をり
)
には、
身一
(
みひと
)
つでさへも
多
(
おほ
)
いくらゐ、
強
(
あなが
)
ち
同志
(
つれ
)
を
追
(
お
)
はずともと、
只
(
たゞ
)
もう
己
(
おの
)
が
心
(
こゝろ
)
の
後
(
あと
)
をのみ
追
(
お
)
うて、
人目
(
ひとめ
)
を
避
(
さ
)
くる
其人
(
そのひと
)
をば
此方
(
こちら
)
からも
避
(
さ
)
けました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
折
(
をり
)
から
遙
(
はる
)
かの
沖
(
おき
)
に
當
(
あた
)
つて、
小山
(
こやま
)
の
如
(
ごと
)
き
數頭
(
すうとう
)
の
鯨群
(
くじらのむれ
)
は、
潮
(
うしほ
)
を
吹
(
ふ
)
いて
游
(
およ
)
いで
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
然
(
しか
)
るに
予
(
かね
)
てより
斥候
(
せきこう
)
の用に
充
(
あ
)
てむため
馴
(
なら
)
し
置
(
お
)
きたる犬の
此時
(
このとき
)
折
(
をり
)
よく
来
(
きた
)
りければ、
彼
(
かれ
)
を真先に立たしめて予は
大胆
(
だいたん
)
にも藪に
入
(
い
)
れり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
己
(
お
)
れは
馴
(
な
)
れた
物
(
もの
)
だ、
斯
(
か
)
うやつて
斯
(
か
)
うすると
言
(
い
)
ひながら
急遽
(
あわたゞ
)
しう七
分
(
ぶ
)
三
分
(
ぶ
)
に
尻端
(
しりはし
)
折
(
をり
)
て、
其樣
(
そん
)
な
結
(
ゆわ
)
ひつけなんぞより
是
(
こ
)
れが
夾快
(
さつぱり
)
だと
下駄
(
げた
)
を
脱
(
ぬ
)
ぐに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
“折”を含む語句
端折
尻端折
折伏
九十九折
折曲
手折
挫折
折屈
崩折
折々
折敷
骨折
折悪
折角
折柄
夭折
中折帽
折節
折釘
折合
...