をり)” の例文
甘い私語と、秘密の享楽とに、何となし心から昵みきれない、いやをりのやうなものの舌触りを感じながらも、好奇心の充されたことだけでも、全く無意味ではなかつたやうな気がした。
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
見よ、にがやみをり街衢ちまたにはよどみとろげど
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かなしみのをりすするごとくに
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
はた、をりよどむつぼを見よ。つとこそ一人ひとり
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)