“裂地”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きれじ90.9%
きれぢ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私の鼻は着物から放つ樟脳しょうのうの香を嗅ぎ、私の頬は羽二重の裂地きれじにふうわりと撫でられ、胸と腹とは信一の生暖かい体の重味を感じている。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
表具店の主人は表装の裂地きれじの見本を奥へ探しに行つて手間取つてゐた。都合よく、隣の茶店での話声が私によく聞えて来る。
蔦の門 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
三人とも、派手な裂地きれぢで頬かぶりをして、長い外套ぐわいたうの襟をたててゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)