“こずえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
96.1%
木末1.3%
樹梢1.1%
木梢0.6%
林樾0.2%
0.2%
樹末0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
盛夏三伏さんぷくの頃ともなれば、影沈む緑のこずえに、月のなみ越すばかりなり。冬至の第一日に至りて、はたとむ、あたかもげんを断つごとし。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
粕谷八幡はさしてふるくもないので、大木と云う程の大木は無い。御神木と云うのはうられた杉の木で、此はやしろうしろで高処だけに諸方から目標めじるしになる。烏がよく其枯れた木末こずえにとまる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
九日、朝四時というに起き出でて手あらい口そそぎ、高き杉の樹梢こずえなどは見えわかぬほど霧深き暁の冷やかなるが中を歩みて、寒月子ともども本社に至りきざはしを上りて片隅にひかゆ。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
車漸く進みゆくに霧晴る。夕日ゆうひ木梢こずえに残りて、またここかしこなる断崖だんがいの白き処を照せり。忽にじ一道いちどうありて、近き山の麓より立てり。幅きわめて広く、山麓さんろくの人家三つ四つが程を占めたり。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
地は隈無く箒目の波を描きて、まだらはなびらの白く散れる上に林樾こずえを洩るゝ日影濃く淡くあやをなしたる、ほとんど友禅模様の巧みを尽して
巣鴨菊 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
紙漉橋の袂に鉄砲垣を折りめぐらして、生節なまぶしの冠木を見越しの雑裁うえごみ林樾こずえを深く(中略)春は塀外の桜、庭もに散り込みて、打延る両岸の枝頭の色は大曲のはてまで一目に残余なごり無く
巣鴨菊 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
そこで帰って林のこずえに止まったが、もう前の不平は忘れて得意であった。
竹青 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
浮きたる方こそ樹末こずえなれ、根の方は木理きのめつみて自然おのずと重ければ下に沈むなりと答へけるに、天神はまた同じやうなる牝馬めうま二匹をゆびさして、那箇いずれが母か那箇が子か、と詰り問ひぬ。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
こずえにのみ一團いちだんがあつて、みき丁度ちやうど天幕てんまくはしらのやうに、數百間すうひやくけん四方しほう規則正きそくたゞしくならんで奇妙きめうはやししたくゞつたりして、みち一里半いちりはんあゆんだとおもころ一個いつこいづみそばた。