“こずゑ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コズヱ
語句割合
85.2%
木末7.8%
1.7%
木梢0.9%
0.9%
0.9%
樹杪0.9%
樹梢0.9%
樹端0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
滿開の櫻のこずゑに、芝居の書割のやうな月が白々と掛つて、遠い花見の賑ひが、淺ましく淋しく、そしてうとましく響いて來るのでした。
銭形平次捕物控:167 毒酒 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
汝は三冬さんとうにも其色を変へねば我も一条ひとすぢに此心を移さず。なむぢ嵐に揺いでは翠光を机上の黄巻くわうくわんに飛ばせば、我また風に托して香烟を木末こずゑの幽花にたなびかす。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
これより他木さらになく、俗に唐松といふもの風にたけをのばさゞるがこずゑは雪霜にやからされけん、ひくき森をなしてこゝかしこにあり。
われは却歩あとしざりして、高き圓柱の上に、木梢こずゑ蔦蘿つたかづらとのおほひをなしたるところに出でぬ。石がきの面をばあやしき影往來す。
銀の綿帽子をけたこずゑ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
成程障子を開けると、ひさしに冠さるやうに繁つた竹を十本ばかり、こずゑの方二三間打つてしまつて、下枝は青々と殘したまゝ、その上から小石川の高臺も富士も見えるやうにしてあります。
樹杪こずゑわかるる光こそ
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
紅蓮白蓮のにほひゆかしく衣袂たもとに裾に薫り来て、浮葉に露の玉ゆらぎ立葉に風のそよける面白の夏の眺望ながめは、赤蜻蛉菱藻ひしもなぶり初霜向ふが岡の樹梢こずゑを染めてより全然さらりと無くなつたれど
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
日は全くりしほどに山深き夜のさま常ならず、天かくすまで茂れる森の間に微なる風の渡ればや、樹端こずゑ小枝さえだ音もせず動きて
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)