木末こぬれ)” の例文
木末こぬれの上」は、繁っている樹木のあたりの意、万葉の題には、「時にのぞめる」とあるから、或るおりに臨んで作ったものであろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
夏をうたはんとては殊更に晩夏の朝かげとゆふべの木末こぬれをえらぶかの蜩の哀音あいおん
詩集夏花 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
木末こぬれの鴉ややにりつつ下枝しづえに下り遂に根方のに下りむとす
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あかときと夜鴉なけどこの山下をかの 木末こぬれの上はいまだ静けし
日本の美 (新字新仮名) / 中井正一(著)
「あかときと夜烏よがらす鳴けどこのをかの木末こぬれのうへはいまだ静けし」(巻七・一二六三)などもそうだが、万葉のこういう歌でも実質的、具体的だからいいので
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
夏山なつやま木末こぬれしじにほととぎすとよむなるこゑはるけさ 〔巻八・一四九四〕 大伴家持
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)