“しだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シダ
語句割合
羊歯38.9%
枝垂23.8%
歯朶15.7%
志太3.8%
羊齒3.8%
仕出3.8%
為出2.2%
齒朶2.2%
1.1%
0.5%
糸垂0.5%
下垂0.5%
信太0.5%
信田0.5%
做出0.5%
做初0.5%
0.5%
發出0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
羊歯しだに似た、ヘゴといふ植物が富岡には珍しい。ダラットの奥地にもこの羊歯は到るところに繁つてゐた。内地の鬼羊歯に似てゐる。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
其処へ何も知らない乳母は、年の若い女房たちと、銚子てうし高坏たかつきを運んで来た。古い池に枝垂しだれた桜も、つぼみを持つた事を話しながら。……
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
大木には蔦が青々と萌え、切株をとりまいて歯朶しだが生えている。毛虫だっているのである。そうしてあざみの葉の蔭に、狸が眼を開けているのである。
畳まれた町 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
志太しだ朝日奈あさひなの如きはよい生紙きがみの産地でまた周智しゅうち鍛冶島かじしまなどにも仕事が続きます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
妙見越めうけんごえを過ぎると頂上で、杉の大木が密生して居る。そこにも羊齒しだや笹の疎らな間にほつほつと胡蝶花の花がさいて居る。一層しをらしく見える。
炭焼のむすめ (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「いや、ようござんすよ。どうせね、わたしなンざ当身をくらってひっくりかえる芝居の仕出しだしなみ。文句を言えた柄ではありやせんのさ」
陸のさらえおわると、二番位演奏があって、その上で酒飯しゅはんが出た。料理は必ず青柳あおやぎから為出しだした。嘉永四年に渋江氏が本所台所町に移ってからも、この出稽古は継続せられた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そして此等の蚊は齒朶しだの間から出て來るとのことであつた。部屋の前面にある崖には其齒朶が澤山生えてゐた。
横山 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
糸檜葉のしだ見ればみぎはにも夕光ゆふかげおよび暮れがたみあり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
なお、「面形おもがたの忘れむしだ大野おほぬろにたなびく雲を見つつ偲ばむ」(同・三五二〇)も類似の歌であるが、この「国溢り」の歌が一番よい。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
おもわすれむしだくにはふくもつつしぬばせ 〔巻十四・三五一五〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
彼が鍾愛しょうあいして措かない糸垂しだれ桜の巨木は、わけても、この庭の王妃のように咲き誇っていたが、常とちがって、今朝は、内蔵助の眸に、その白い花の一つ一つが
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
内蔵助は、良雪のしてくる眸へね返すような眸をちらと向けた。次にはむッつりと顔を横にし、この四五日のうちにすっかり色のせた糸垂しだれ桜へ向って、脣を結んでいるのだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よく見ると、大きな枸杞くこ下垂しだれ枝が、薄紫の小さな花を一杯つけてるのだった。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
常陸の信太しだ郡はいにしえの日高見国だとあるのも、日高見すなわちヒダの住みかたる地方がふつうにヒダと呼ばれ、それが転じてシダとなったので
さらに頼朝の兄、信田三郎先生義憲しだのさぶろうせんじょうよしのりを尋ねて信田しだの浮島へ下り、木曽冠者義仲もおいなので令旨を伝えようと、行家は中山道へ赴いた。
ト今まで黙想していた文三が突然無茶苦茶に高笑を做出しだしたが、勿論もちろん秋毫すこし可笑おかしそうでは無かッた。シカシ少年の議論家は称讃しょうさんされたのかと思ッたと見えて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私が何とかいってくさすと、今までと打って変って反対あべこべに、「それは君、君は誤解している。紅葉はんな男じゃない。君、今度は十分肝胆を披瀝ひれきして話して見給え、」とにわかに紅葉の弁護を做初しだした。
右近うこんの馬場を右手めてに見て、何れ昔は花園はなぞのの里、霜枯しもがれし野草のぐさを心ある身に踏みしだきて、太秦うづまさわたり辿たどり行けば、峰岡寺みねをかでらの五輪の塔、ゆふべの空に形のみ見ゆ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ゆかした……板縁いたえんうらところで、がさ/\がさ/\とおと發出しだした……彼方あつちへ、此方こつちへ、ねずみが、ものでも引摺ひきずるやうで、ゆかひゞく、とおとが、へんに、うへつてるわたしあしうらくすぐるとつたかたち
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)