“しだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シダ
語句割合
羊歯40.2%
枝垂23.2%
歯朶14.6%
仕出4.3%
羊齒4.3%
志太3.7%
為出2.4%
1.2%
齒朶1.2%
下垂0.6%
(他:7)4.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あられゆきをもよおすくもそらひくくかかり、大烏おおがらす羊歯しだうえって、
幾抱えもある椴松は羊歯しだの中から真直に天を突いて、わずかにのぞかれる空には昼月が少し光って見え隠れに眺められた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
北辰妙見ほくしんみょうけんの宮、摩利支天の御堂みどう、弁財天のほこらには名木の紅梅の枝垂しだれつつ咲くのがある。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その家は五間ぐらいでしたが、庭が広くて正面に松の大木があり、枝垂しだれた下に雪見灯籠ゆきみどうろうがありました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
そのとき鷹は水底深く沈んでしまって、歯朶しだの茂みの中に鏡のように光っている水面は、もうもとの通りに平らになっていた。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
窓を洩れる西日が、明るく落ちている板敷に、新らしい歯朶しだの葉を被せかけたざるがおいてあるのが眼についた。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
女は木の実でも埋めたのを覗き込むように、自分のからだに深い注意を仕出しだした。そして折々こんなことを言った。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
「いや、ようござんすよ。どうせね、わたしなンざ当身をくらってひっくりかえる芝居の仕出しだしなみ。文句を言えた柄ではありやせんのさ」
その松林が燒けるとバラやイチゴや羊齒しだ類の坊主山になるが、そこに少しでも熊笹の根があると、すべてがこの笹の繁殖の爲めに征服されてしまふ。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
それから又苔類、士馬※すぎごけ類、羊齒しだ類、木賊とくさ類、蘇鐵そてつ類、公孫樹いてふ類、被子植物の中の單、雙子葉顯花植物類等にも、發光する種類があるさうだ。
光る生物 (旧字旧仮名) / 神田左京(著)
駿河の志太しだ郡などはこの草の花と、はえの頭とを女の乳ですりまぜて、赤く色つけたものを目薬として使うという。
これは『駿河志料』巻十三、『駿河国巡村記』志太しだ郡巻四に共に録し、前の二つの話よりは少しく西の方の山の、やはり百余年前の出来事であった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ト文三憤然やっきとして分疏いいわけ為出しだした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
廿一日に、中村憲吉君は校歌の話を為出しだした。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
あしひきの山鳥やまどりしだなが長夜ながよ一人ひとりかも宿む 〔巻十一・二八〇二〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
糸檜葉のしだ見ればみぎはにも夕光ゆふかげおよび暮れがたみあり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
虎耳草ゆきのした秋海棠しうかいだう齒朶しだなど、
樹木とその葉:11 夏の寂寥 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
齒朶しだの籠には何れる、
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
よく見ると、大きな枸杞くこ下垂しだれ枝が、薄紫の小さな花を一杯つけてるのだった。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
別篇日高見国の研究に述ぶるところ、常陸の信太しだ郡はいにしえの日高見国だとあるのも、日高見すなわちヒダの住みかたる地方がふつうにヒダと呼ばれ、それが転じてシダとなったので、オヒナがオシナとなったと畢竟は同一現象である。
ト今まで黙想していた文三が突然無茶苦茶に高笑を做出しだしたが、勿論もちろん秋毫すこし可笑おかしそうでは無かッた。シカシ少年の議論家は称讃しょうさんされたのかと思ッたと見えて、
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
余り褒めすぎるので、私が何とかいってくさすと、今までと打って変って反対あべこべに、「それは君、君は誤解している。紅葉はんな男じゃない。君、今度は十分肝胆を披瀝ひれきして話して見給え、」とにわかに紅葉の弁護を做初しだした。
右近うこんの馬場を右手めてに見て、何れ昔は花園はなぞのの里、霜枯しもがれし野草のぐさを心ある身に踏みしだきて、太秦うづまさわたり辿たどり行けば、峰岡寺みねをかでらの五輪の塔、ゆふべの空に形のみ見ゆ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
おもわすれむしだくにはふくもつつしぬばせ 〔巻十四・三五一五〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
なお、「面形おもがたの忘れむしだ大野おほぬろにたなびく雲を見つつ偲ばむ」(同・三五二〇)も類似の歌であるが、この「国溢り」の歌が一番よい。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ゆかした……板縁いたえんうらところで、がさ/\がさ/\とおと發出しだした……彼方あつち
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
内蔵助は、良雪のしてくる眸へね返すような眸をちらと向けた。次にはむッつりと顔を横にし、この四五日のうちにすっかり色のせた糸垂しだれ桜へ向って、脣を結んでいるのだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼が鍾愛しょうあいして措かない糸垂しだれ桜の巨木は、わけても、この庭の王妃のように咲き誇っていたが、常とちがって、今朝は、内蔵助の眸に、その白い花の一つ一つが、不吉な妖虫のむらがりのようにすら映ってくる。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)