“糸垂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しだ50.0%
しだれ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼が鍾愛しょうあいして措かない糸垂しだれ桜の巨木は、わけても、この庭の王妃のように咲き誇っていたが、常とちがって、今朝は、内蔵助の眸に、その白い花の一つ一つが
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
内蔵助は、良雪のしてくる眸へね返すような眸をちらと向けた。次にはむッつりと顔を横にし、この四五日のうちにすっかり色のせた糸垂しだれ桜へ向って、脣を結んでいるのだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
流鏑馬やぶさめを行ったというかなりに幅のある馬場の両側に、糸垂しだれ桜だそうなが、桜の老樹が立ち並び、蛍の青い光りが、すいすいとやみを縫って行く間を、朱塗りの楼門に入れば
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)