仕出しだ)” の例文
「人間わづか五十年、一人殺すも千人殺すも、とられる首はたつた一ツ、とても悪事を仕出しだしたからは、これから夜盗、家尻切やじりきり……。」
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「いや、ようござんすよ。どうせね、わたしなンざ当身をくらってひっくりかえる芝居の仕出しだしなみ。文句を言えた柄ではありやせんのさ」
女は木の実でも埋めたのを覗き込むように、自分のからだに深い注意を仕出しだした。そして折々こんなことを言った。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
四五日しごにちつた、が豪傑連がうけつれんなん仕出しだしたこともなく、無事ぶじにあそんでしづまつてしまつた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
松風氏は店員に椅子を与へておいて、長々とその広告新案について説明を仕出しだした。
女主あるじづからなべ茶椀ちやわんむしぐらいはなるも道理ことわりおもてにかゝげし看板かんばんれば子細しさいらしく御料理おんりようりとぞしたゝめける、さりとて仕出しだたのみにゆきたらばなにとかいふらん、にはか今日こんにち品切しなぎれもをかしかるべく
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
また唐辛奴とうがらしやっこ、でんがく焼姉様、力持、松茸背負女、紙吹石さげたる裸体男はだかおとこなど滑稽な形せしもの数ありて、この類は皆一人の思付きより仕出しだせしを、さかり場あるいは神社仏閣数多くある処にて売り
江戸の玩具 (新字旧仮名) / 淡島寒月(著)