“じょうし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
上梓37.0%
城址16.4%
上士8.2%
娘子8.2%
上巳6.8%
上厠5.5%
上使4.1%
城趾4.1%
嬢子2.7%
城市1.4%
帖敷1.4%
情死1.4%
状師1.4%
襄子1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いっそ上梓じょうししようか。どうしたなら親元からたくさんの金を送ってもらえるか、これを一冊の書物にして出版しようと考えたのである。
ロマネスク (新字新仮名) / 太宰治(著)
地図の一は武田氏の旧城址じょうしと、その出城の位置を考証したものであり、他の一は甘利郷の略図らしかった。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
二百石取りの上士じょうしばかりで、三村次郎左衛門を除いては、元の身分が違うから、何となく話しもそぐわないような気がして、黙って隅の方にひかえていた。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
思わぬこの娘子じょうし軍の出現にいきなり前方をかれて、たじたじとなるとガソリンの爆音のみ、いたずらに我が天心へ反響さして、さて停ると、ますますはしゃいで、浮かれて
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
何故上巳じょうしが女、端午たんごが男の節供となったかというと、前述の山籠り・野遊びの時季になっていたに過ぎないのである。
雛祭りとお彼岸 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ところが私が外出して帰ってくると、あるいは夜寝て朝起きて見ると、小鳥の姿はもう見えなくなっている。上厠じょうしして戻ってきたとたんに、消えてなくなっていたこともあった。
庭の眺め (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
和蘭陀風オランダふうの遠近法はこの時既に浮世絵に応用せられ天井とふすまの遠くなるに従ひて狭く小さく一点に集り行くさま、今日こんにち吾人が劇場にて弁慶べんけい上使じょうしまたは妹脊山いもせやまやかた書割かきわりを見るに似たり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私などは六年間の小学校生活中に、一度もその城趾じょうしまでは登らなかった。其処には、かんざしをさしたへびだの、両頭の蛇だのがいるといううわさがあった。
簪を挿した蛇 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
鶴見もまた、藤原南家なんけの一の嬢子じょうしと共に風雨のくるう夜中をさまよいぬいた挙句あげくの果、ここに始めて言おうようなき「朝目よき」光景を迎えて、その驚きを身にみて感じているのである。
山嶮さんけん湖沢こたく城市じょうし塁寨るいさい、平野など、さしも広汎こうはんな天地に雄大な構想を展じ、布陣の対峙たいじ久しかったこの大会戦も、その念入りな仕切りのわりに
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この日に家康は翠色みどりいろ装束しょうぞくをして、上壇じょうだんたたみを二帖敷じょうしかせた上に、暈繝うんげんの錦のしとねを重ねて着座した。使は下段に進んで、二度半の拝をして、右から左へ三人ならんだ。
佐橋甚五郎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
情死じょうしの直前の接吻せっぷんという観念が、チラと克彦の頭をかすめた。
月と手袋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
米国の費府大学で状師じょうしの免状をとり、まだ若冠だが出来がよく、訴庭で法官と輸贏ゆえいを争ってもヒケをとるような男ではないが、因循する性質で、大切な時を尻込して失敗しくじってばかりいる。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
で、丁度三十の歳に、楽師の襄子じょうしについて琴を習ったのじゃ。無論子供の頃から音楽の稽古はずっと続けていた。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)