“みやこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミヤコ
語句割合
67.5%
京都6.2%
宮古5.3%
3.3%
都会2.9%
京師1.9%
京洛1.9%
首都1.9%
都會1.4%
1.4%
花洛1.0%
首府1.0%
宮処0.5%
京城0.5%
城市0.5%
東京0.5%
皇都0.5%
華洛0.5%
西京0.5%
都城0.5%
都市0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わしはあの優雅ゆうがみやこの言葉がも一度聞きたい。あの殿上人てんじょうびと礼容れいようただしい衣冠いかんと、そして美しい上﨟じょうろうひんのよいよそおいがも一度見たい。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「先ごろ、京都みやこへのぼられた真仏しんぶつ御房が、勅額をいただいて参られるころには、伽藍の普請ふしんも、悉皆しっかい成就じょうじゅいたしましょう」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
初瀬はつせ吉野よしの宮古みやこの沈没などをも考えて、「はたして最後の勝利を占めることができるだろうか」という不安の念も起こった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
この講堂はもと奈良のみやこの朝集殿であった。すなわち和銅年間奈良京造営の際の建築である。しかし現在の建築には天平の気分はほとんど認められない。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
土地の習慣ならはしから『奥様』と尊敬あがめられて居る有髪うはつの尼は、昔者として多少教育もあり、都会みやこの生活も万更まんざら知らないでも無いらしい口の利き振であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
なお「大君は神にしませば赤駒のはらばふ田井たゐ京師みやことなしつ」(巻十九・四二六〇)、「大君は神にしませば水鳥のすだく水沼みぬま皇都みやことなしつ」(同・四二六一)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
島がくれゆく京洛みやこの船を呼び返している俊寛僧都しゅんかんそうずの悲しみが、生々しい実感で今松の胸へと伝わってきた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
麻酔薬まやく、毒薬、絹紐きぬひも、ハンカチ。数を尽くした瓦落多がらくた道具が。あるが中にも文明国では。一と呼ばれるホントウ国だよ。そこの首都みやこのタマゲタシチーで。わしが見て来た新式手段が。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
平凡で簡單なこの言葉ほど、都會みやこを知らぬ者の心に都會の美しい光景ありさまを活々と描かす言葉はなかつた。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
せめては筆の跡ばかりをみやこうちに入れさせ給へと、九七仁和寺にんわじ御室みむろもとへ、経にそへてよみておくりける。
桑を摘め摘め、爪紅つまべにさした 花洛みやこ女郎衆じょろしゅも、桑を摘め。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「名にしおふ首府みやこですからね!」と、澄まして応じた。
また、「見れど飽かぬかも」という結句も、人麿の、「珠水激いはばしる滝の宮処みやこは、見れど飽かぬかも」(巻一・三六)のほか、万葉には可なりある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あきのみ草苅くさか宿やどれりし兎道うぢ宮処みやこ仮廬かりいほおもほゆ 〔巻一・七〕 額田王
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
彼も亦「其前に置かれたる喜楽よろこびに因りてその恥を厭わない」のである、神は彼等のために善き京城みやこを備え給うたのである
城市みやこの世家の来訪を家の面目として歓待している愚直な農民には、南のそうしたたわけた態度などは眼に入らなかった。
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
汝ほどの學識ものしりは廣き東京みやこくほどにて、塵塚の隅にもごろごろと有るべし、いづれも立身出世の望みを持たぬはなく、各自めい/\ことはかはりて、出世の向きも種々さま/″\なるべけれど
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なお「大君は神にしませば赤駒のはらばふ田井たゐ京師みやことなしつ」(巻十九・四二六〇)、「大君は神にしませば水鳥のすだく水沼みぬま皇都みやことなしつ」(同・四二六一)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
西京みやこに近き荒寺の
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
いま笄町こうがいちょうかたに過ぎし車の音かすかになりて消えたるあとは、しずけさひとしお増さり、ただはるかに響く都城みやこのどよみの、この寂寞せきばくに和して、かのうつつとこの夢と相共に人生の哀歌を奏するのみ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
あの王の都市みやこ、うつくしい市のイメーン・マカは何処にある? ウスナの子たちは今どこにいる? 凡ての女の中で最も美しいデヤドラはどこにいる? レッド・ブランチの名誉はどこにあると。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)