京洛みやこ)” の例文
京都の女なら、芸妓げいこ、仲居までが、攘夷じょういとは、どんなものか。京洛みやこには、今誰が来ているか、政変や、大官の往来などにも、関心を
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
島がくれゆく京洛みやこの船を呼び返している俊寛僧都しゅんかんそうずの悲しみが、生々しい実感で今松の胸へと伝わってきた。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
勤王運動の実践に桂が奔命ほんめいし出してからは、常に、密書を交わして、江戸の消息を彼に与え、また京洛みやこの消息を彼からけていた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やかたの者たちは、眼をふさぎ耳をふさいでいた。しかし、こんな程度のことは、今の京洛みやこの内には、ざらに行われていることだ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
琵琶湖びわこの湖北に迫って、へいをうちたたき、声をうしおと揚げて、京洛みやこに近づきつつあるという情報の頻々ひんぴんたるものがある。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
享楽しているのであったが、一皮ひとかわいた京洛みやこの内部には、こうした、えと飢えとの寄り合い家族と、家なき浮浪人が、空寺あきでら、神社、辻堂、石垣
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
京洛みやこでもちょっと見ない」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)