“有髪”の読み方と例文
旧字:有髮
読み方割合
うはつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
有髪うはつの僧はこう云って、庄三郎を凝視した。遅い月はまだ昇らず、「聖壇」は仄々ほのぼのと暗かった。微風が四辺あたりを吹いていた。月の出の前の微風である。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
土地の習慣ならはしから『奥様』と尊敬あがめられて居る有髪うはつの尼は、昔者として多少教育もあり、都会みやこの生活も万更まんざら知らないでも無いらしい口の利き振であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
有髪うはつのころは、京鎌倉にも少ない美人と、人のよう申せしを、幼心おさなごころにも覚えておる。墨染すみぞめすがたは、その麗人をどう変えたやら、見るも一興か。ま、通してみい」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)