宮古みやこ)” の例文
以上のように、宮古みやこのしびまぐろ岸網きしあみものを第一として、これから季節とともに、だんだんとまぐろ好きをよろこばす次第である。
鮪を食う話 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
初瀬はつせ吉野よしの宮古みやこの沈没などをも考えて、「はたして最後の勝利を占めることができるだろうか」という不安の念も起こった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
首里しゅりの仕事を筆頭に、八重山の白絣しろがすり宮古みやこ紺絣こんがすり、それに久米島くめじまの久米つむぎなど、実は百花の美を競う有様であります。
沖縄の思い出 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
全国の呼び方を集めてみると、宮古みやこ八戸はちのへあたりの僅かな太平洋側の沿海だけに、陸から海に向けて吹く風を、アイとっている地帯があるように思う。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
乗り出すと、表向は江戸の方へ帰るというおふれ込みでしたがね、本当のところは宮古みやこの港へ向けてお立ちになったんだが、その前に釜石かまいしの港というのへお着きのはずなんだよ
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ソレを分捕ぶんどりしようと云うことを企てゝ、そうして奥州おうしゅう宮古みやこと云う港で散々たたかった所が、負けて仕舞しまっ到頭とうとう降参して、夫れから東京へ護送せられて、その時は法律も裁判所も何もないときで
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
まぐろの一番美味うまいのは、なんといっても三陸、すなわち岩手の宮古みやこにある岸網きしあみものである——ということになっている。
鮪を食う話 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
二七 早池峰はやちねより出でて東北の方宮古みやこの海に流れ入る川を閉伊川といふ。その流域はすなはち下閉伊郡なり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
だが外来の手法や紋様の模倣に終らず、琉球独自の美しさを示した。ただに主府首里しゅりを中心としてのみならず、八重山やえやま群島や、宮古みやこ群島においても同じ発達を見た。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
二七 早池峯はやちねより出でて東北の方宮古みやこの海に流れ入る川を閉伊川へいがわという。その流域はすなわち下閉伊郡なり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
下手といえば、まぐろそのものが下手ものであって、もとより一流の食通を満足させるていのものではない。いかに最上の宮古みやこまぐろといってみても、たかの知れた美味にすぎない。
鮪を食う話 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
たとえば宮古みやこ群島の方は、近世幾度かの地変があり、また住民の闘諍とうそう盛衰がはげしかったためか、民居耕田の跡が移り動き、且つ一般に稲作はやや衰えている上に
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
宮古みやこ八重山やえやま大阿母おおあもなどは、危険の最も多い荒海を渡って、一生に一度の参覲さんきんつつがなくなしとげることを、神々の殊なる恩寵おんちょうと解し、また常民に望まれぬ光栄としていた。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
いわゆる琉球りゅうきゅう三十六島の中でも、宮古みやこは異常に歴史の進化の歩みがはげしく、しかも天災地変の圧迫が強烈であって、人は悩み且つしばしば入替いれかわり、したがって言語文物の錯雑が著しいことは
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
マシャガマ 宮古みやこ平良ひらら