都會みやこ)” の例文
新字:都会
おちつけずや母樣はゝさまにはねがはんとてはなたまはず夫樣おくさままたくれ/″\のおほせにそのまゝの御奉公ごほうこう都會みやこなれぬとてなにごとも不束ふつゝかなるを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
平凡で簡單なこの言葉ほど、都會みやこを知らぬ者の心に都會の美しい光景ありさまを活々と描かす言葉はなかつた。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
ほかになし女子をんなだてらに心太こゝろふと都會みやこへとこゝろざし其目的そのもくてきにはわけもあれどおもひはいすかのはしもたづぬるひと
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
餘波なごりいかにと訪ふ人もなく、哀れに淋しき主從三人は、都會みやこながらの山住居にも似たるべし
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
母と祖父との恨を負ひて誰れにか談合はからん心一つを杖に、出し都會みやこに人鬼はなくとも何處の里にも用ひらるゝは才子、よしや輕薄の誹りはありとも、口振怜悧に取廻しの小器用なるを人喜ぶぞかし
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)