京師みやこ)” の例文
いや冬のみならず、各府県の援軍が来て、城壁の守りもいよいよ固い。……もしこのうえ京師みやこ正規軍せいきぐんが大挙して、これへくだってでも来た日には?
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なお「大君は神にしませば赤駒のはらばふ田井たゐ京師みやことなしつ」(巻十九・四二六〇)、「大君は神にしませば水鳥のすだく水沼みぬま皇都みやことなしつ」(同・四二六一)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
京師みやこを掠めようその為さ」
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
だからその高俅の従兄弟いとことあれば、白馬金鞍はくばきんあん京師みやこの夕風を追って遊ぶも、びょうに立って大臣を欲するも、自由だろうに、なぜか彼は、それを求めない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
沫雪あわゆきのほどろほどろにけば平城なら京師みやこおもほゆるかも 〔巻八・一六三九〕 大伴旅人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「されば、尊氏がここに敗れて、しばらく京師みやこも踏めぬからには、御辺の保護の下に、二人を頼みおくしかない」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はろばろに於忘方由流可母オモハユルカモ」(巻五・八六六)、「かぢ取る間なく京師みやこ於母倍由オモハユ」(巻十七・四〇二七)等の例もあるが、四〇二七の「倍」は「保」とも書かれて居り
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
しかし素姓すじょうをきいてみると、京師みやこ生れで、苗字みょうじも同姓の「宋」といい、娘の名は玉蓮ぎょくれんというとのこと。宋江には、そぞろ哀ればかりもよおされて、酒さえ苦くなってきたので
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)