城趾じょうし)” の例文
玉置の城趾じょうしの奇談というのは、一時新聞でも騒がれた大事件ですが、真相というのはまだ世の中につたわって居りません。
古城の真昼 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
私などは六年間の小学校生活中に、一度もその城趾じょうしまでは登らなかった。其処には、かんざしをさしたへびだの、両頭の蛇だのがいるといううわさがあった。
簪を挿した蛇 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
はる識名しきなの丘を前に見て、歴史に実に美しい都でした。玉御殿たまうどうん始め、城趾じょうしや寺院や拝所や、それにしょう侯邸も今は昔語りかと思うと、泣くに泣かれません。
沖縄の思い出 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)