ぎたな)” の例文
霍亂かくらんで死んだといふ、小僧の友吉も、毒害されたに違ひあるまいよ、鳥兜とりかぶとなどで殺されると、霍亂とよく似てゐる、多分小僧の友吉は誰かほかの人に盛つた毒を、意地ぎたなをして食ひ
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
そこの宿屋も前日のうすぎたない宿屋に似ていた。同じような海草のかすかなかおり、同じようなランプのほのあかりが、わずかに私たちの中に前夜の私たちをよみがえらせた。私たちはようやく打解けだした。
燃ゆる頬 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)