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汚
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けがら
ふりがな文庫
“
汚
(
けがら
)” の例文
「訳を、訳をいえば
貴下
(
あなた
)
、黙って死なして下さいますよ。もう、もう、もう、こんな
汚
(
けがら
)
わしいものは、見るのも
厭
(
いや
)
におなりなさいますよ。」
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
宮はそれ等を
汚
(
けがら
)
はしとて一切用ること無く、後には夫の机にだに向はずなりけり。かく怠らず
綴
(
つづ
)
られし文は、又
六日
(
むゆか
)
を経て貫一の
許
(
もと
)
に送られぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
盛遠のやうな人非人は、相手にする丈でも
汚
(
けがら
)
はしい! お前は、俺の心をもつと知つてゐて呉れる筈ではなかつたのか。
袈裟の良人
(旧字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
ただただ夢の如くにて自分にもかうかうとはつきり分りをらず候へども
掻
(
か
)
い
撮
(
つま
)
んで申し候へば、まことにまことに卑しく
汚
(
けがら
)
はしく筆に書き候も恥かしき次第
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
あの人間が人間の体を裂き
弄
(
もてあそ
)
び喜ぶのは、重くろしく
汚
(
けがら
)
はしく
辱
(
はず
)
かしい気がする。
川
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
お勢がこのような危い境に身を
処
(
お
)
きながら、それには少しも心附かず、私欲と淫欲とが
爍
(
れき
)
して
出来
(
でか
)
した、軽く、浮いた、
汚
(
けがら
)
わしい家内の調子に乗せられて、何心なく物を言っては
高笑
(
たかわらい
)
をする
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
おいしくも、芳しくもない、
汚
(
けがら
)
わしい物であることが分って来る。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
さあ、帰れ、帰れ、帰れ!
汚
(
けがら
)
わしい。帰らんか。この座敷は己の座敷だ。己の座敷から追出すんだ。帰らんか、野郎、帰れと云うに、そこを
起
(
た
)
たんと
蹴殺
(
けころ
)
すぞ!
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
沈着
(
おちつ
)
いた所もなく、
放心
(
なげやり
)
に見渡せば、総て
華
(
はなや
)
かに、
賑
(
にぎや
)
かで、心配もなく、気あつかいも無く、
浮々
(
うかうか
)
として面白そうに見えるものの、
熟々
(
つらつら
)
視れば、それは皆
衣物
(
きもの
)
で、
躶体
(
はだかみ
)
にすれば、見るも
汚
(
けがら
)
わしい私欲
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
洋犬
(
かめ
)
の
妾
(
めかけ
)
になるだろうと謂われるほど、その緋の袴でなぶられるのを
汚
(
けがら
)
わしがっていた、
処女
(
むすめ
)
気で、思切ったことをしたもので、それで胸がすっきりしたといつか
私
(
わたくし
)
に話しましたっけ。
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
汚
(
けがら
)
はしい
慾
(
よく
)
のあればこそ
恁
(
か
)
うなつた
上
(
うへ
)
に
蹰躇
(
ちゆうちよ
)
をするわ、
其
(
その
)
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
て
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
けば、
渠等
(
かれら
)
夫婦
(
ふうふ
)
が
同衾
(
ひとつね
)
するのに
枕
(
まくら
)
を
並
(
なら
)
べて
差支
(
さしつか
)
へぬ、それでも
汗
(
あせ
)
になつて
修行
(
しゆぎやう
)
をして、
坊主
(
ばうず
)
で
果
(
は
)
てるよりは
余程
(
よほど
)
の
増
(
まし
)
ぢやと
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
汚
常用漢字
中学
部首:⽔
6画
“汚”を含む語句
汚穢
汚涜
汚点
薄汚
汚濁
意地汚
汚物
口汚
汚水
汚塵
汚染
小汚
汚辱
汚名
面汚
汚泥
穢汚
爺々汚
汚穢屋
染汚
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