よごれ)” の例文
上段の十畳、一点のよごれもない、月夜のような青畳、紫縮緬むらさきちりめんふッくりとある蒲団ふとんに、あたかもその雲に乗ったるがごとく、すみれの中から抜けたような、よそおいこらした貴夫人一人。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さらば常の心のよごれたるを洗ひ浮世のほかの月花を友とせむにつきつきしかるべしかし、かくいふは参議正四位上大蔵大輔おおくらたゆう朝臣あそん慶永よしなが元治二年衣更著きさらぎ末のむゆか、館に帰りてしるす
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)