)” の例文
園丁来りて踏板の上に並べほしたる靴ぬぎのごれたる毛をはたく、チヨコレートの如き埃立つ。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
甲野さんは寝ながら日記をけだした。横綴よことじの茶の表布クロースの少しは汗にごれたかどを、折るようにあけて、二三枚めくると、一ページさんいちほど白い所が出て来た。甲野さんはここから書き始める。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くされた野菜と胡蘿葡のごれたどぶどろのそばに、粗末な蓆の小屋をかけて、柔かな羽蟲のもつれをかなしみながら、ただひとり金紙に緋縅の鎧をつけ、鍬形のついた甲を戴き
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
くされちらぼふ骸炭コオクスに足もごれて
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ごれたる硝子戸のまへに
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ものとなきしほごれに
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)