“表布”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもてぬの33.3%
かわ33.3%
クロース33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
良人の顔からじつと眼を放さずにゐるが、彼女の、表布おもてぬのをきせぬいき羅紗服スクニャアには灰色の塵のやうに水玉が跳ねかかつてゐる。
き立てのもちを、金巾かなきんに包んだように、綿は綿でかたまって、表布かわとはまるで縁故がないほどの、こちこちしたものである。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
甲野さんは寝ながら日記をけだした。横綴よことじの茶の表布クロースの少しは汗にごれたかどを、折るようにあけて、二三枚めくると、一ページさんいちほど白い所が出て来た。甲野さんはここから書き始める。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)