“クロース”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
40.0%
掛布20.0%
表布20.0%
黒布20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
卓子を離れるときに、あたりを見廻すと、どの卓子もすでに客は帰ったあとで、白い真四角のクロースの上にいろどりさまざまのパイが、いぎたなく散らばっていた。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
蜂谷は、食卓として使うときのほかは掛布クロースのとられている食堂の楕円形のテーブルのよこに立って、何だかいそいで歩いて来たような顔つきだった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
甲野さんは寝ながら日記をけだした。横綴よことじの茶の表布クロースの少しは汗にごれたかどを、折るようにあけて、二三枚めくると、一ページさんいちほど白い所が出て来た。甲野さんはここから書き始める。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
法水は、Uの部類を最初から丹念に眼を通していったが、やがて、彼の顔にさわやかな色がうかんだと思うと、「これだ」と云って、簡素な黒布クロース装幀の一冊を抜き出した。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)