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汚
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むさ
ふりがな文庫
“
汚
(
むさ
)” の例文
貴方はそれでよいじゃろが、
汚
(
むさ
)
い
身装
(
みなり
)
をしていては、
綺羅
(
きら
)
やかな
遊廓
(
さと
)
の席に、
雑巾
(
ぞうきん
)
が置いてあるように見ゆるではないかの。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自動車が
飛田
(
とびた
)
の
附近
(
あたり
)
へ来ると、
汚
(
むさ
)
い
豚小舎
(
ぶたごや
)
のやうな
家
(
うち
)
から、一人の若者が転がり出して、車の前に大の字なりになつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「でも、大変
汚
(
むさ
)
い所でございますので、あなた方にいらしていただくような……」と、遠慮がちに言いなおした。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
認められたらそれまでである。認められないのに、こちらから思い切って持ち出すのは、肌を脱いで
汚
(
むさ
)
い
腫物
(
しゅもつ
)
を知らぬ人の鼻の
前
(
さき
)
に
臭
(
にお
)
わせると同じ事になる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分は
汚
(
むさ
)
い色目も分らぬ
襤褸
(
らんる
)
を着て甘んじ、慾得ずくからの職業産業から得るのでない食物を食って足れりとし、他を排しおのれを護る住宅でもないところに身を安んじ
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
なして
舊
(
もと
)
の如く風呂敷に押包せ
丁稚
(
でつち
)
に
脊負
(
せおは
)
せ
勇
(
いさみ
)
進
(
すゝ
)
んで歸りけるが和吉は
霎時
(
しばらく
)
側
(
かたへ
)
に在て
二個
(
ふたり
)
が話しを
熟々
(
つく/″\
)
聞
(
きゝ
)
主個
(
あるじ
)
の息子が
昨日
(
きのふ
)
茲
(
こゝ
)
より歸りし
譯
(
わけ
)
も今日は又
態々
(
わざ/\
)
爰
(
こゝ
)
まで忠兵衞が來りて
汚
(
むさ
)
き
家
(
うち
)
をも
厭
(
いと
)
はず酒を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
(
汚
(
むさ
)
いもの、何がある。)
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「わしも、
傍杖
(
そばづえ
)
くって、こんな
汚
(
むさ
)
い所へ
墜
(
お
)
ちてしまったので、見もせなんだが、跫音はたしかに、あっちへ遠のいて行った」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汚
(
むさ
)
い
弾
(
はじ
)
き
丸
(
だま
)
は、ある時は禅僧のやうな露伴の
懐中
(
ふところ
)
に飛び込み、ある時は
山狗
(
やまいぬ
)
のやうな緑雨の襟首に滑り込み、またある時は気取屋の紅葉の鼻先きを
掠
(
かす
)
めて飛んだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
極
(
きはめ
)
し
譯
(
わけ
)
か
聞
(
きか
)
ま
欲
(
ほし
)
と腹の立まゝ
藪
(
やぶ
)
から
棒
(
ぼう
)
にまくり
立
(
たて
)
つゝ
云
(
いひ
)
ければ忠兵衞
呆氣
(
あつけ
)
に
取
(
とら
)
るゝ
耳
(
のみ
)
少も
合點
(
がてん
)
行ざれどもお光の事とは大方に
推
(
すゐ
)
せばいよ/\
分
(
わか
)
り
兼
(
かね
)
猶
(
なほ
)
押返
(
おしかへ
)
して問けるに
主個
(
あるじ
)
は今方店へ來し醫師が
述
(
のべ
)
たるテレメンテーナの藥の事より大藤の
女兒
(
むすめ
)
は
斯
(
かう
)
と話したるが和郎は大事な主人の
嫁
(
よめ
)
が
途中
(
とちう
)
なんどで
轉倒
(
ひつくりかへ
)
り
天窓
(
あたま
)
へ
汚
(
むさ
)
き
草履
(
ざうり
)
草鞋
(
わらぢ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「先生、とにかく今夜は、
汚
(
むさ
)
い小屋じゃございますが、てまえどもの家へお泊りくださいませんか。ここの一杯屋も、晩まではやっておりませんので」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玄関に
狗
(
いぬ
)
を
繋
(
つな
)
いでゐる
家
(
うち
)
、九官鳥を飼つてゐる
家
(
うち
)
、
汚
(
むさ
)
くるしい書生を飼つてゐる
家
(
うち
)
、猫がぞろ/\這ひ出して来る
家
(
うち
)
——そんな
家
(
うち
)
へは
添書
(
てんしよ
)
をつけて悪魔でも送つてやり度くなる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「はッ……。来合わせてはおりましたなれど、御覧のごとく、平常の
汚
(
むさ
)
い
身装
(
みなり
)
をいたしおりましたゆえ、君前に
罷
(
まか
)
り出るも、不作法と存じ、わざとこれに差し控えて」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんの御案内仕りまする。
汚
(
むさ
)
い
鞍
(
くら
)
ではございますが、どうぞ、それがしの駒の背へ」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あなたは、もともと、伊勢平氏のいなか育ちで、
汚
(
むさ
)
い貧乏も、性に合っているかもしれませんが、わたくしは、都そだちです。親類縁者とて、みな藤原一門の公卿堂上ばかりですからね。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
苞
(
つと
)
にくるんだ土民の衣裳やら
草鞋
(
わらじ
)
などであった。牛若の衣裳はすべて脱がせ、代りにそれを着せて、
汚
(
むさ
)
いぼろ
布
(
きれ
)
で顔をつつんだ。背には
背荷
(
せお
)
い
梯子
(
ばしご
)
とよぶ物を
負
(
しょ
)
わせて、短い山刀を腰にさして与えた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あれは、
汚
(
むさ
)
い
爺
(
じじ
)
を相手にする
遊戯
(
あそ
)
びではない」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
迦羅奢
(
がらしや
)
。あんな
汚
(
むさ
)
い長屋は取払え」
日本名婦伝:細川ガラシヤ夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汚
常用漢字
中学
部首:⽔
6画
“汚”を含む語句
汚穢
汚涜
汚点
薄汚
汚濁
意地汚
汚物
口汚
汚水
汚塵
汚染
小汚
汚辱
汚名
面汚
汚泥
穢汚
爺々汚
汚穢屋
染汚
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