“藻抜”のいろいろな読み方と例文
旧字:藻拔
読み方割合
もぬ76.2%
もぬけ23.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
結局二人藻抜もぬけのからみたいにさして、この世の中に何の望みも興味も持たんと、ただ光子さんいう太陽の光だけで生きてるように
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
みずから案内して戸を明けた家は、今は藻抜もぬけのからとなって、金吾もお粂の姿も見えず、薬の香ばかりが壁に残る一番奥の四畳半。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さてこそと取下して見ると中は藻抜もぬけからであった。ひとりで飛んで行った気づかいはないのである。
小雨そぼ降る七夕の昨夜ゆうべ久しく隠まって置いたかのお園は何処いずこへか出奔しゅっぽんしてしまったものと見え今朝方けさがた寝床は藻抜もぬけの殻となり、残るは唯男女が二通の手紙ばかりという事である。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)