“藻拔”の読み方と例文
新字:藻抜
読み方割合
もぬ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それが親分、唯の行方不知とはワケが違ひますよ。何しろ内から戸締りをしたまんま、床が藻拔もぬけのからで、寢んでゐた筈の娘が煙のやうに——斯う」
唐紙を押し倒すやうに飛込んで行くと、お糸の床は藻拔もぬけのからで、その側に女中のお千代が、あまりの事に尻餅を突いたなり、ろくに口もきけません。
「それが、翌る朝見ると床は敷いてあつたが、お姉樣は藻拔もぬけのからであつたと言ふんでせう。——床の中で聲を掛けたとすると、その後で着換をして脱出したわけですね」