“腑抜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふぬ89.7%
ふぬけ10.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兄のまじめな話が一くさり済むと、満蔵が腑抜ふぬけな話をして一笑い笑わせる。話はまたおとよさんの事になる。政さんは真顔になって
隣の嫁 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「よく私は吾家うちのおとっさんにそう言われますよ——愛宕下へ行って帰って来ると、まるで一日二日は腑抜ふぬけのように成ってしまうなんて」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と、教授は腑抜ふぬけのした顔でそれをもじやつてゐるうち、ふと仏様の笑顔が家主の因業爺いんごふぢいのやうに見え出した。
「だから先刻さっきから云ってるじゃありませんか。私が冷淡に見えるのは、全く私が腑抜ふぬけのせいだって」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)