“捻(ひ)” の例文
「なるほどそうだね」と圭さん、首を捻(ひね)る。圭さんは時々妙な事に感心する。しばらくして、捻(ひ)ねった首を真直(まっすぐ)にして、圭さんがこう云った。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
モデルに石膏(せっこう)の彫像を据えて息子は研究所の夏休みの間、自宅で美術学校の受験準備の実技の練習を継続しているのであった。電灯を捻(ひ)ねって
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
両手の指でしきりに捻(ひ)ねくっていたが、すぐに鍬を取り直して、眼を火のように光らし、白い歯を砕けるほど噛み締めつつ、死に物狂いの体で足の下を掘り返しはじめた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
池上がまた捻(ひ)ねくり屋さんの性質からわたくしに何ぞ勿体(もったい)をつける癖の一つと見て、この話を相手にはしませんものゝ、少くとも、気分が電子のように動いていなければ原子のわたくしを成立たせず
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)