“えみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
73.7%
微笑17.8%
笑味3.3%
江見2.0%
喜色0.7%
微咲0.7%
嘲笑0.7%
得見0.7%
恵美0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かっぱとかっぱが顱合はちあわせをしたから、若い女は、うすよごれたがあねさんかぶり、茶摘、桑摘む絵の風情の、手拭の口にえみをこぼして
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
古い港の町、燈台の見える海、奇異きたいな女の風俗などのついた絵葉書が、そこへ取出された。三吉は思いついたように、微笑えみを浮べながら
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
とまではすこぶる真面目であったが、自分でも少し可笑おかしくなって来たか急に調子を変え、声を低うし笑味えみを含ませて
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『あゝ文士ぶんしか。エミタヾカツといふ文士ぶんしかい。エミ‥‥ あゝ、江見えみ‥‥ 水蔭すゐいんさんですか』
松島大佐まつしまたいさ濱島武文はまじまたけぶみとははしたやう喜色えみうかべて鼻髯びぜんひねつた。春枝夫人はるえふじん流石さすが女性によしようつね
いづれもに/\双眼鏡さうがんきやうたづさへ、白巾ハンカチーフり、喜色えみたゝえて、諸君しよくん好意かうゐしやすることであらう。
さし入る月は蒼白あおじろおもてを照らして、微咲えみはなお唇に浮かべり。されど浪子はながく眠れるなり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
かすかなる微咲えみの唇に上ると見れば、見る見るまぶたは閉じて、眠るがごとく息絶えぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「私は我儘が大好きじゃ!」鳰鳥も嘲笑えみを浮かべながら
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
清子は茶をすすめ菓子を薦めつゝ唯しとやかに、口数は少なかつた。そして男の顔を真面には得見えみなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
後世の俗書にあるように、恵美えみの押勝とどうしたとか、道鏡とどうだとか、そのようにミダラ千万な女帝なら、いくらでも乗ずべきスキがあったろう。
安吾史譚:02 道鏡童子 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)