“ほゝえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
微笑100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『濟まなかつたわ。』と何氣なく言つたが、一寸目の遣場やりば困つた。そして、微笑ほゝえんでる樣な靜子の目と見合せると色には出なかつたが、ポッと顏のあからむを覺えた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
しかし二人は、兎をうつ時のように、微笑ほゝえむような心持で、楽々と発射する訳には行かなかった。ねらいをきめても、手さきが顫えて銃が思う通りにならなかった。
雪のシベリア (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
一種云いようのない陰鬱いんうつな気分を覚えた、そうして御台の無心らしい微笑ほゝえみや長閑のどかな笑いごえの底にも、じっと感情を押し殺している跡が見え、心の苦しみが推察されたと云っている。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)