微笑ほおえ)” の例文
にんじんは、こわかったのがおかしく、微笑ほおえむ。眼がだんだん暗闇くらやみれると、細かな部分がはっきりしてくる。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
しかし背すじに迫る寒さにたじろいだか、口ほどにもなく火にかじりついて、夜がふけても出かけるけはいはなく、ひそかにむささびの肩を持っていた私を微笑ほおえませた。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
欣弥は手招けば、白糸は微笑ほおえむ。その肩を車夫はとんとちて
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
微笑ほおえみつつ女子おんなはかく言い捨てて乗り込みたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)