“かたがた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カタガタ
語句割合
方々32.3%
旁々32.3%
15.0%
旁〻12.6%
方方1.8%
傍々1.2%
人々0.6%
諸君0.6%
0.6%
堅々0.6%
御案内旁々0.6%
方県0.6%
旁旁0.6%
貴婦人0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山伏やまぶし姿すがたにやつしてはおいでになりますが、あなたがたはきっと酒呑童子しゅてんどうじ退治たいじするために、京都きょうとからおくだりになった方々かたがたでしょう。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
私は旅館の相談旁々かたがた、紹介を得て来た図書館長の永山氏に電話をかけた。私、早口になると見え、電話がてきぱき相手に通じない。
長崎の一瞥 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
かたがた以て鍵屋の苦心も、始終に算盤との談合は第二として、いずれとも江戸ッ児の嫌がるような広告花火はまァよしにして貰いてえものだ。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
旁〻かたがた、彼女からすがられたある問題のかたをつけるためだったが、ほかの客がいては、ちょっと、話のぐあいが悪いのである。
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水や草は いい方方かたがたである
貧しき信徒 (新字新仮名) / 八木重吉(著)
ところが又その記事の中に、虹野にじのミギワなぞいう呉虹汀くれこうていちなんだ名前が出て来たりしたので、傍々かたがた以てこの調査書の中に取入れたものとも考えられるようでもある。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
先生におこごとうけましたの——其れから学校を卒業する、貴女は菅原様すがはらさんいらつしやる、他の人々かたがたれ方向をおさだめになるのを見て
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
いゝえ、私の苦悶くもんが何で教会の損害になりませう、篠田さん、私の苦悶の原因と申すは、今日こんにち教会の上に、けても青年の人々かたがたの上に降りかゝつた大きな不幸悲哀で御座います」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
しかるにようやく夜間となるや、今諸君かたがたが見られた通り、灌木や岩石に身を変じた敵方の軍兵を誘いにかけて捕虜いけどりに致したではござらぬか
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
敵も味方も正法を避けて、雪遁せっとんの奇道を互いに用い、互いに攻め合っているのでござる……たとえば眼下の谷の中の、灌木や岩は皆軍兵ぐんぴょう。日昼に諸君かたがたが見られたところの、無数の動物も軍兵でござる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
六世紀に至ってようやく盛んになり、支那との往来もまた繁くなったが、泊港はこれらの船舶を入るるには余りに狭く、かたがた政治上の都合などもあって、那覇を築港して貿易港にあてた。
浦添考 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
堅々かたがたしい古舗しにせの旦那も、あてにはならない。昼もまぼろし、夜はうつつなさだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「訳ありで——話をせんと判りませんが——ええと、外は雨だし——然し、御案内旁々かたがた、お話し申しやしょう」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
白糸縅に胡麻幹小札ごまがらこざね、この大鎧を一着し、真紅の鉢巻をムズと締め、黄母衣に木地の鞍置かせ、浅黄手綱の黒駒に乗ったは、濃州方県かたがたの城のあるじ、明石播磨之介貞朝さだともであったが
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
丁度大阪に用事もあるので旁旁かたがた、その帰りに京都へ、といふ気になつた。
曠日 (新字旧仮名) / 佐佐木茂索(著)
「嫌ですよ、立派な貴婦人かたがたの前に出て、貧乏くさく見える位恥ずかしいことはありませんからね」
頸飾り (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)