“古舗”の読み方と例文
読み方割合
しにせ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此所ここで話が前置きをして置いた浅草大火のくだりとなるのですが、その前になお少し火事以前の雷門を中心としたその周囲まわりの町並み、あるいは古舗しにせ
ほどなく、きれいな楊柳ようりゅう並木の繁華街の一軒に、古舗しにせめいた大店おおだなの間口が見える。朱聯金碧しゅれんこんぺきの看板やら雇人やといにんだの客の出入りなど、問わでも知れる生薬問屋きぐすりどんやの店だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
植木屋を連れて、三人で近くの津村の控邸ひかえへ行くと、下町の古舗しにせの大旦那といった上品な老人が、巻帯に白足袋といった恰好で、えんの落ちた数寄屋風の離屋はなれから出てきた。
蝶の絵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)