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方々
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かたがた
ふりがな文庫
“
方々
(
かたがた
)” の例文
「いや、そう云う訳ではございませんが、何かとあちらの
方々
(
かたがた
)
に引とめられて、ついそのまま、話しこんでしまうのでございます。」
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
山伏
(
やまぶし
)
の
姿
(
すがた
)
にやつしてはおいでになりますが、あなた
方
(
がた
)
はきっと
酒呑童子
(
しゅてんどうじ
)
を
退治
(
たいじ
)
するために、
京都
(
きょうと
)
からお
下
(
くだ
)
りになった
方々
(
かたがた
)
でしょう。
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
しかしその
梵語
(
ぼんご
)
の経文を訳した
方々
(
かたがた
)
は決して嘘をつかれるような方でないからして、これには何か研究すべき事があるであろう。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「
方々
(
かたがた
)
拙者に存じよりがあります。ここに待ち受けて小枝という娘を、奪い取ることにいたしましょう。さあさあ木陰へおかくれなされ」
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『ああ、うちの人、』とボーシスは言いました、『お前さんが、何と言おうと、この
方々
(
かたがた
)
は、どうして、普通の人じゃないよ。』
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
▼ もっと見る
「お
見舞
(
みまい
)
の
方々
(
かたがた
)
も、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
にお
引取
(
ひきと
)
りなすってはどうじゃの、
御病人
(
ごびょうにん
)
は、
出来
(
でき
)
るだけ
安静
(
あんせい
)
に、
休
(
やす
)
ませてあげるとよいと
思
(
おも
)
うでの」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「おおせ、ごもっともです。では
方々
(
かたがた
)
、
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
をこの三
重
(
じゅう
)
へひっ立てて、かならず
妖術
(
ようじゅつ
)
などで逃げ
失
(
う
)
せぬように厳重なご用意あるよう」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、
困
(
こま
)
ったことに、
私
(
わたくし
)
どもがこちらから
人間
(
にんげん
)
の
世界
(
せかい
)
を
覗
(
のぞ
)
きますと、つまらぬ
野天狗
(
のてんぐ
)
の
捕虜
(
とりこ
)
になっている
方々
(
かたがた
)
が
随分
(
ずいぶん
)
沢山
(
たくさん
)
居
(
お
)
られますようで……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「エエ町内のお
方々
(
かたがた
)
、おさわがせ申してあいすいません。火事は遠うごぜえます。葛西領は
渋江
(
しぶえ
)
むら、渋江村……剣術大名司馬様の御寮——」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「そんなに永くぐずぐずしていちゃいかん。私は一秒一秒自分の命もここにいられる
方々
(
かたがた
)
の命も危険に
曝
(
さら
)
しているのだ。」
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
あるところにぜいたくな
人間
(
にんげん
)
が
住
(
す
)
んでいました。
時節
(
じせつ
)
をかまわずに、なんでも
食
(
た
)
べたくなると、
人々
(
ひとびと
)
を
方々
(
かたがた
)
に
走
(
はし
)
らしてそれを
求
(
もと
)
めたのであります。
北の国のはなし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ふるのは、余りにもみっともない。
方々
(
かたがた
)
はどうあろうと、この景久だけは、平家にお仕えして最後の花を飾るつもりじゃ
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「エイ、
方々
(
かたがた
)
は何をうっかりとして居らるる。敵に下ぐる頭ではござらぬ、味方同士の、兄弟の中ではござらぬか。」
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
就
(
つい
)
ては、
某
(
それ
)
の日、あたかも黄道
吉辰
(
きっしん
)
なれば、揃って
方々
(
かたがた
)
を婿君にお迎え申すと云う。汗冷たくして独りずつ夢さむ。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御親切にいろいろあたくしに教えて下さる
方々
(
かたがた
)
が、あたくしがフランスへ参らなければならないとお考えになるのですし、それに、あたくしは
孤児
(
みなしご
)
で
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
まったくあの屋敷の
方々
(
かたがた
)
はみんないい人で、若殿さまは優しいかたですし、お嬢さまもおとなしいかたですからね
半七捕物帳:53 新カチカチ山
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
日曜日に子供も一緒に夫婦連立って買物
方々
(
かたがた
)
出歩こうと云う折など、「季ちゃん。一緒に行くかね。」と誘うこともあるが、是非にと云う程の様子は見せず
或夜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
某
平生
(
へいぜい
)
朋友等無之候えども、大徳寺
清宕和尚
(
せいとうおしょう
)
は年来
入懇
(
じっこん
)
に致しおり候えば、この遺書
国許
(
くにもと
)
へ
御遣
(
おんつか
)
わし下され
候
(
そろ
)
前に、御見せ下されたく、
近郷
(
きんごう
)
の
方々
(
かたがた
)
へ頼入り候。
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
僕は
手短
(
てみじ
)
かに経過を報告して、憲兵隊の
方々
(
かたがた
)
を
同道
(
どうどう
)
して来たことをセントー・ハヤオに物語りました。相手は大変嬉しいという意味の符号を打ち返して来ました。
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
どうもこの
方々
(
かたがた
)
に
遇
(
あ
)
っては
叶
(
かな
)
いません、と云う風に云い、
斯様
(
かよう
)
に突然押しかけて参るのは失礼だと思ったのですが、全く女ギャングに
拉致
(
らち
)
されて来たのでありまして
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
……これまでの
方々
(
かたがた
)
様の御心づくし、何と御礼を申上げましょうやら。つたないこの身に余り過ぎました
栄耀栄華
(
えいようえいが
)
。空恐ろしゅうて行く先が思い遣られまする
計
(
ばか
)
りで御座います。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
方々
(
かたがた
)
は慰問の御
挨拶
(
あいさつ
)
をなされたのであるが、源氏は最後に残って、驚きと悲しみに言葉も心も失った気もしたが、人目が考えられ、やっと気を引き立てるようにしてお居間へ行った。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「しずかになさい。だまっていてくれ。
高貴
(
こうき
)
な
方々
(
かたがた
)
の前だ、ご
無礼
(
ぶれい
)
にあたるぞ。」
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
「それじゃ
我々
(
われわれ
)
偉
(
えら
)
い
方々
(
かたがた
)
が
何
(
なに
)
かものを
言
(
い
)
う
時
(
とき
)
でも
意見
(
いけん
)
を
出
(
だ
)
しちゃいけないぜ。」
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「藩論が決った今、狂瀾を
既倒
(
きとう
)
にかえすは、非常手段に出るほかは、ござらぬ。明日の出兵を差し止める道は、今夜中に成田頼母を倒すよりほか、道はないと存ずるが、
方々
(
かたがた
)
の御意見は?」
仇討禁止令
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「この
方々
(
かたがた
)
は、ぼくが二十面相のかくれがから救いだしてきたのですよ。」
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
後におあとをお
継
(
つ
)
ぎになった
若帯日子命
(
わかたらしひこのみこと
)
と、
小碓命
(
おうすのみこと
)
とおっしゃる
皇子
(
おうじ
)
と、ほかにもう
一方
(
ひとかた
)
とだけをおそばにお止めになり、あとの七十七人の
方々
(
かたがた
)
をことごとく、地方地方の
国造
(
くにのみやつこ
)
、
別稲置
(
わけいなぎ
)
、
県主
(
あがたぬし
)
という
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
この
方々
(
かたがた
)
も皆お獨で御出現になつて形をお隱しになりました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「私は組合の
方々
(
かたがた
)
の御命令どおりに何でもいたします。」
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
それでももう難有い
方々
(
かたがた
)
に似ておいでになりました。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
男の
方々
(
かたがた
)
は! 愛情こまやかな女といふものが
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
「お
出合
(
であ
)
いなさい! お出合いなされ!
大久保家
(
おおくぼけ
)
のご
家中
(
かちゅう
)
の
方々
(
かたがた
)
、あやしいものが
逃
(
に
)
げまするぞ、早く、早く、早くここへ!」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
方々
(
かたがた
)
にもの申そう。これは天上皇帝の神勅を賜わって、わが日の本に摩利の教を
布
(
し
)
こうずる摩利信乃法師と申すものじゃ。」
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
参拝者
(
さんぱいしゃ
)
の
中
(
なか
)
で一ばんに
数
(
かず
)
も
多
(
おお
)
く、
又
(
また
)
一ばんに
美
(
うつく
)
しいのは、
矢張
(
やは
)
り
何
(
なん
)
の
註文
(
ちゅうもん
)
もなしに、
御礼
(
おれい
)
に
来
(
こ
)
らるる
方々
(
かたがた
)
でございましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「気が弱くもなろうじゃアありませんか。あなたのようなお強い
方々
(
かたがた
)
が、女一人を取り巻いて、いじめるんですもの」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
いや
静
(
しず
)
かに。——ただ
今
(
いま
)
、
脈
(
みゃく
)
に
力
(
ちから
)
が
出
(
で
)
たようじゃと
申上
(
もうしあ
)
げたが、
実
(
じつ
)
は
他
(
た
)
の
方々
(
かたがた
)
の
手前
(
てまえ
)
をかねたまでのこと。
心臓
(
しんぞう
)
も、
微
(
かす
)
かに
温
(
ぬく
)
みを
保
(
たも
)
っているだけのことじゃ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
これまで
御番衆
(
ごばんしゅう
)
の
方々
(
かたがた
)
からいくらも出世をなすった方はあろうけれど遠山様のような話はありますまい。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この美しさを
方々
(
かたがた
)
は何んと形容なさるかな、宝玉の名でも花の名でも、色の名でも形容は出来ますまい。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『おう、ポリデクティーズ王様、』と彼は叫びました、『そして
大勢
(
おおぜい
)
の
方々
(
かたがた
)
、私はあなた方にゴーゴンの首をお見せすることは、ひどく気がすすまないのです!』
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
方々
(
かたがた
)
も褒めておやりなされ、この高山も褒めてやるぞと、飛んだ陣屋の盛綱を気取って、扇をあげて褒めそやすと、ほかの連中も偉い偉いと扇をひらいて煽ぎ立てる。
半七捕物帳:44 むらさき鯉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
時に、
後月
(
あとつき
)
のその舞台は、ちょっと清書にいたし、
方々
(
かたがた
)
の御内見に入れますので、世間晴れての勤めは、
更
(
あらた
)
めて
来
(
きたる
)
霜月の
初旬
(
はじめ
)
、さるその日本の舞台に立つ
筈
(
はず
)
でござる。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
は、承知いたしました。手前どもでは、あなたさまのところの
方々
(
かたがた
)
がロンドンとパリーの間を
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
嚢
(
ふくろ
)
の物を探るが如くになり居れど、ただ兵粮其他の支えの足らぬため、勝っても勝を保ち難く、奪っても
復
(
また
)
奪わるべきを
慮
(
おもんぱか
)
り、それ故に老巧の
方々
(
かたがた
)
、事を挙ぐるに挙げかね
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
御用心
(
ごようじん
)
遊
(
あそ
)
ばさないといけません。あの
童子
(
どうじ
)
は
詐欺師
(
さぎし
)
でございます。
恐
(
おそ
)
れながら、
陛下
(
へいか
)
のお
病
(
やまい
)
は
侍医
(
じい
)
の
方々
(
かたがた
)
や、わたくし
共
(
ども
)
の
丹誠
(
たんせい
)
で、もうそろそろ
御平癒
(
ごへいゆ
)
になる
時
(
とき
)
になっておりました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その他の
方々
(
かたがた
)
が、私に、宝島についての顛末を、初めから終りまで、ただまだ掘り出してない宝もあることだから島の方位だけは秘して、すっかり書き留めてくれと言われるので、私は
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「放送局の
方々
(
かたがた
)
よ」彼は団長らしい落付を見せて、だが鋭く、呼びかけた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
当庵は
斯様
(
かよう
)
に見苦しく候えば、年末に相迫り相果て候を見られ候
方々
(
かたがた
)
、借財等のため自殺候様御推量なされ候事も
可有之
(
これあるべく
)
候
(
そうら
)
えども、借財等は一切無き某、厘毛たりとも他人に迷惑相掛け申さず
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
グワッ、グワッ、さあみんな
私
(
わたし
)
に
従
(
つ
)
いてお
出
(
い
)
で。これから
偉
(
えら
)
い
方々
(
かたがた
)
のお
仲間
(
なかま
)
入
(
い
)
りをさせなくちゃ。だからお
百姓
(
ひゃくしょう
)
さんの
裏庭
(
にわ
)
の
方々
(
かたがた
)
に
紹介
(
しょうかい
)
するからね。でもよく
気
(
き
)
をつけて
私
(
わたし
)
の
傍
(
そば
)
を
離
(
はな
)
れちゃいけないよ。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「ところで、小松殿の
方々
(
かたがた
)
は如何いたした?」
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
この
方々
(
かたがた
)
がどんな暴風雨をも相手に闘って
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
々
3画
“方々”で始まる語句
方々様