カタ)” の例文
而も二首ながら「あしびきの此カタ山の……」と言つて木の事を言ふのは、大殿祭オホトノホカヒ山口祭ヤマクチマツリの祝詞と一筋で、新室祝言の型なる事を明らかに見せて居る。
朝晴れて 芽ぶきに早きカタ山の 辛夷コブシ一もと 照り出でにけり
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
その為、かうした形をとつたのである。謂はゞ、丘のカタの「土地」といふ形でも宜いのである。
天皇は吉野を出て宇治の奥、田原里で、里人の情のき栗・ゆで栗をカタ山のそへに埋めて、わが身栄ゆるものならば、此栗生え出る様に、とうけひ給うたら、栗が生え出した。
愛護若 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)