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人
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ひと
ふりがな文庫
“
人
(
ひと
)” の例文
南洋
(
なんよう
)
のあまり
世界
(
せかい
)
の
人
(
ひと
)
たちには
知
(
し
)
られていない
島
(
しま
)
に
住
(
す
)
んでいる
二人
(
ふたり
)
の
土人
(
どじん
)
が、
難船
(
なんせん
)
から
救
(
すく
)
われて、ある
港
(
みなと
)
に
着
(
つ
)
いたときでありました。
幸福に暮らした二人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
花
(
はな
)
は、のめずり
倒
(
たお
)
れた
老人
(
ろうじん
)
の
死体
(
したい
)
を、
笑
(
わら
)
つて
見
(
み
)
おろしているという
形
(
かたち
)
で、いささか
人
(
ひと
)
をぞつとさせるような
妖気
(
ようき
)
を
漂
(
ただよ
)
わしている。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
味方は十分の勝利を得べきなりと申しけるに、浅井半助とて武勇
人
(
ひと
)
に許されしものながら、先年久政の勘当をうけて小谷を追出され
姉川合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「
今日
(
こんにち
)
は、」と、
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けたが、フト
引戻
(
ひきもど
)
さるゝやうにして
覗
(
のぞ
)
いて
見
(
み
)
た、
心着
(
こゝろづ
)
くと、
自分
(
じぶん
)
が
挨拶
(
あいさつ
)
したつもりの
婦人
(
をんな
)
はこの
人
(
ひと
)
ではない。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
心
(
こゝろ
)
をつけて
物事
(
ものごと
)
を
見
(
み
)
るに、さながら
戀
(
こひ
)
に
心
(
こゝろ
)
をうばゝれて
空虚
(
うつろ
)
に
成
(
なり
)
し
人
(
ひと
)
の
如
(
ごと
)
く、お
美尾
(
みを
)
お
美尾
(
みを
)
と
呼
(
よ
)
べば
何
(
なに
)
えと
答
(
こた
)
ゆる
詞
(
ことば
)
の
力
(
ちから
)
なさ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
それが
人
(
ひと
)
の
言
(
い
)
うように
規則的
(
きそくてき
)
に
溢
(
あふ
)
れて
来
(
こ
)
ようとは、
信
(
しん
)
じられもしなかった。
故
(
ゆえ
)
もない
不安
(
ふあん
)
はまだ
続
(
つづ
)
いていて、
絶
(
た
)
えず
彼女
(
かのじょ
)
を
脅
(
おびや
)
かした。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
けれど
斯
(
か
)
ふ言ふのが
温泉場
(
をんせんば
)
へ
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
、
海水浴場
(
かいすゐよくぢやう
)
へ
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
乃至
(
ないし
)
名所見物
(
めいしよけんぶつ
)
にでも
出掛
(
でかけ
)
る
人
(
ひと
)
の
洒落
(
しやれ
)
た
口調
(
くてう
)
であるキザな
言葉
(
ことば
)
たるを
失
(
うしな
)
はない。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
それと
共
(
とも
)
に、
人麿
(
ひとまろ
)
の
歌
(
うた
)
だと
傳
(
つた
)
へられてゐないもので、
人
(
ひと
)
のために
代
(
かは
)
つて
作
(
つく
)
つた、この
人
(
ひと
)
の
歌
(
うた
)
も
非常
(
ひじよう
)
にたくさんあるようにおもひます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
さう云ふ
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
つて
過
(
す
)
ごす時間が、本当の時間で、穴倉で光線の試験をして
暮
(
くら
)
す
月日
(
つきひ
)
は寧ろ人生に遠い閑生涯と云ふべきものである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、いつもなら、
人
(
ひと
)
にいわれるまでもなく、まずこっちから
愛嬌
(
あいきょう
)
を
見
(
み
)
せるにきまっていたおせんが、きょうは
何
(
な
)
んとしたのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「なに
人
(
ひと
)
」とお政は
莞爾
(
にっこり
)
した、何と云ッてもまだおぼだなと云いたそうで。「お前に構ッて
貰
(
もら
)
いたいンで来なさるンじゃ有るまいシ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ところで、
竹
(
たけ
)
の
中
(
なか
)
から
出
(
で
)
た
子
(
こ
)
は、
育
(
そだ
)
て
方
(
かた
)
がよかつたと
見
(
み
)
えて、ずん/\
大
(
おほ
)
きくなつて、
三月
(
みつき
)
ばかりたつうちに
一人前
(
いちにんまへ
)
の
人
(
ひと
)
になりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
人
(
ひと
)
と
人
(
ひと
)
との
間
(
あひだ
)
に
少
(
すこ
)
しでも
隙間
(
すきま
)
が
出来
(
でき
)
ると
見
(
み
)
ると
歩
(
ある
)
いてゐるものがすぐ
其跡
(
そのあと
)
に
割込
(
わりこ
)
んで
河水
(
かはみづ
)
の
流
(
なが
)
れと、それに
映
(
うつ
)
る
灯影
(
ほかげ
)
を
眺
(
なが
)
めるのである。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
鞍上
(
あんじょう
)
人
(
ひと
)
なく、
鞍下
(
あんか
)
に馬なく、青葉ゆらぐ台町馬場の芝草燃ゆる大馬場を、投げ出された黒白取り取りの
鞠
(
まり
)
のように駈け出しました。
旗本退屈男:03 第三話 後の旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
(七九)
閭巷
(
りよかう
)
の
人
(
ひと
)
、
行
(
おこなひ
)
を
砥
(
と
)
ぎ
名
(
な
)
を
立
(
た
)
てんと
欲
(
ほつ
)
する
者
(
もの
)
は、
(八〇)
青雲
(
せいうん
)
の
士
(
し
)
に
附
(
つ
)
くに
非
(
あら
)
ずんば、
惡
(
いづく
)
んぞ
能
(
よ
)
く(名ヲ)
後世
(
こうせい
)
に
施
(
し
)
かん
哉
(
や
)
。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
定
(
さだ
)
めてあの
張作霖
(
ちやうさくりん
)
がそんな
風
(
ふう
)
に
相好
(
さうかう
)
を
崩
(
くづ
)
してのけぞり
返
(
かへ
)
つただらうと
思
(
おも
)
ふと、その
昔
(
むかし
)
馬賊
(
ばぞく
)
の
荒武者
(
あらむしや
)
だつたといふ
人
(
ひと
)
のよさも
想像
(
さうざう
)
されて
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
然
(
しか
)
しながら
大地震
(
だいぢしん
)
になると、
初期微動
(
しよきびどう
)
でも
決
(
けつ
)
して
微動
(
びどう
)
でなく、
多
(
おほ
)
くの
人
(
ひと
)
にとつては
幾分
(
いくぶん
)
の
脅威
(
きようい
)
を
感
(
かん
)
ずるような
大
(
おほ
)
いさの
振動
(
しんどう
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
其時
(
そのとき
)
貴方
(
あなた
)
は
他
(
た
)
の
人
(
ひと
)
に、
解悟
(
かいご
)
に
向
(
むか
)
ひなさいとか、
眞正
(
しんせい
)
の
幸福
(
かうふく
)
に
向
(
むか
)
ひなさいとか
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
の
効力
(
かうりよく
)
が
果
(
はた
)
して、
何程
(
なにほど
)
と
云
(
い
)
ふことが
解
(
わか
)
りませう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
乳母 はい、
御機嫌
(
ごきげん
)
よう。……もし/\、あの
人
(
ひと
)
は、ま、
何
(
なん
)
といふ
無作法
(
ぶさはふ
)
な
若
(
わか
)
い
衆
(
しゅ
)
でござるぞ? あくたいもくたいばかり
言
(
い
)
うて。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
この
説
(
せつ
)
を
敷衍
(
ふえん
)
して
日本美術史
(
にほんびじゆつし
)
の
劈頭
(
へきとう
)
にこれを
高唱
(
かうしやう
)
したものであるが
今日
(
こんにち
)
においても、なほこの
説
(
せつ
)
を
信
(
しん
)
ずる
人
(
ひと
)
が
少
(
すくな
)
くないかと
思
(
おも
)
ふ。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
つまり、
一休
(
いっきゅう
)
さんは、
日
(
ひ
)
かげの
身
(
み
)
となったわけで、そんなことから、
大徳寺
(
だいとくじ
)
の
華叟禅師
(
かそうぜんじ
)
のもとに
弟子入
(
でしい
)
りし、
仏門
(
ぶつもん
)
の
人
(
ひと
)
となったわけです。
先生と父兄の皆さまへ
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
なほ曙覽には、『いさぎよき神つ
國風
(
くにぶり
)
けがさじとこころ碎くか
神國
(
かみぐに
)
の
人
(
ひと
)
』や、『
天皇
(
すめらぎ
)
に身もたな知らず眞心をつくしまつるか我が國の道』
愛国歌小観
(旧字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
『
二人
(
ふたり
)
だと
思
(
おも
)
つても
駄目
(
だめ
)
よ!と
云
(
い
)
つて、
一人
(
ひとり
)
だけ
立派
(
りつぱ
)
な
人
(
ひと
)
にするんでは
滿
(
つま
)
らないわ!』と
愛
(
あい
)
ちやんは
可哀相
(
かあいさう
)
にもさう
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
火事
(
かじ
)
の
時
(
とき
)
には
防火樹
(
ぼうかじゆ
)
として
非常
(
ひじよう
)
に
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
ち
家
(
いへ
)
も
燒
(
や
)
かずに
濟
(
す
)
み、
時
(
とき
)
には
人
(
ひと
)
の
命
(
いのち
)
すら
救
(
すく
)
はれることがあることも
忘
(
わす
)
れてはなりません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
恥
(
はず
)
かしながら
私
(
わたくし
)
は一
時
(
じ
)
は
神様
(
かみさま
)
も
怨
(
うら
)
みました……
人
(
ひと
)
を
呪
(
のろ
)
いもいたしました……
何卒
(
どうぞ
)
その
頃
(
ころ
)
の
物語
(
ものがた
)
り
丈
(
だけ
)
は
差控
(
さしひか
)
えさせて
戴
(
いただ
)
きます……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
更
(
さら
)
に
氣
(
き
)
を
取直
(
とりなを
)
して、
暗黒々
(
あんこく/\
)
の
岩窟内
(
がんくつない
)
を
照
(
てら
)
し
見
(
み
)
ると、
奧壁
(
おくかべ
)
近
(
ちか
)
くに
當
(
あた
)
つて
有
(
あ
)
る、
有
(
あ
)
る、
人
(
ひと
)
の
骨
(
ほね
)
らしい
物
(
もの
)
が
泥土
(
でいど
)
に
埋
(
う
)
まりながら
横
(
よこた
)
はつて
見
(
み
)
える。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
おもふに、
人
(
ひと
)
散
(
ちれ
)
ば
演場
(
しばゐ
)
の
蕭然
(
さみしくなる
)
を
厭
(
いと
)
ふゆゑなるべし。いづくにか
出
(
いづる
)
所あらんと
尋
(
たづね
)
しに、此寺の四方
垣
(
かき
)
をめぐらして出べきの
隙
(
ひま
)
なし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
こんなことは、
盗人
(
ぬすびと
)
のじぶんには、はじめてのことであります。
人
(
ひと
)
に
信用
(
しんよう
)
されるというのは、
何
(
なん
)
といううれしいことでありましょう。……
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「やりましょう。どうせ、
人
(
ひと
)
のよむものなら、
横文字
(
よこもじ
)
であろうが、なんであろうが、やれないということはないでしょうから。」
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
しかし
保
(
たもつ
)
さんは少時帆足の文を読むごとに心
平
(
たいら
)
かなることを得なかったという。それは貞固の
人
(
ひと
)
と
為
(
な
)
りを愛していたからである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
第一
人
(
ひと
)
の女房とこんなもん取り
交
(
かわ
)
しといて、その女房の亭主の前いれいれいしいに見せつけながら、それに対する一言のいい訳もせんと
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
然
(
しか
)
しいつの
間
(
ま
)
にか
人
(
ひと
)
が
遠
(
とほ
)
くより
見
(
み
)
るやうに
成
(
な
)
つた。
行
(
ゆ
)
き
違
(
ちが
)
ふ
女房等
(
にようばうら
)
は
額
(
ひたひ
)
に
照
(
て
)
ら
(
ママ
)
れて
眠
(
ねむ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
子
(
こ
)
を
見
(
み
)
て
痛々敷
(
いた/\しい
)
と
思
(
おも
)
ふのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
人
(
ひと
)
を
知
(
し
)
るは
難
(
かた
)
くして
易
(
やす
)
く、
自
(
みずか
)
ら
知
(
し
)
るは
易
(
やす
)
くして
難
(
かた
)
し、
但
(
ただ
)
し
当
(
まさ
)
にこれを
夢寐
(
むび
)
に
徴
(
ちょう
)
し
以
(
もっ
)
て
自
(
みずか
)
ら
知
(
し
)
るべし、
夢寐
(
むび
)
自
(
みずか
)
ら
欺
(
あざむ
)
く
能
(
あた
)
わず」と。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
彦三郎御長屋中に
怪敷
(
あやしき
)
人
(
ひと
)
有
(
ある
)
との事なれば此御家主へ相談は
如何
(
いかゞ
)
に候はんと
尋
(
たづ
)
ぬるに權三
打笑
(
うちわら
)
ひ爰の
家主
(
いへぬし
)
は店子の中に
依怙贔屓
(
えこひいき
)
多
(
おほ
)
く下の者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
だから、パラッと頁をくって見て、買わない
人
(
ひと
)
もうんとあるだろう。自分は、こういうかたで書いた本はこれを最後にしようと思っている。
著者の言葉(『新しきシベリアを横切る』)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
すずの(種々)
御供養
(
ごくやう
)
、
送給畢
(
おくりたびをはんぬ
)
。
大風
(
たいふう
)
の
草
(
くさ
)
をなびかし、
雷
(
いかづち
)
の
人
(
ひと
)
ををどろかすやうに候。よの
中
(
なか
)
に、いかにいままで御信用候けるふしぎさよ。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
都
(
すべ
)
て
人
(
ひと
)
たる
者
(
もの
)
は
常
(
つね
)
に
物事
(
ものごと
)
に
心
(
こゝろ
)
を
留
(
とゞ
)
め、
世
(
よ
)
に
新
(
あた
)
らしき
事
(
こと
)
の
起
(
おこ
)
ることあらば、
何故
(
なにゆゑ
)
ありて
斯
(
かゝ
)
る
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
しやと、よく
其本
(
そのもと
)
を
詮索
(
せんさく
)
せざるべからず。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
エホバよりまずサタンに向って、「
汝
(
なんじ
)
心を用いてわが
僕
(
しもべ
)
ヨブを見しや、彼の如く
完
(
まった
)
くかつ正しくて神を畏れ悪に遠ざかる
人
(
ひと
)
世
(
よ
)
に
非
(
あら
)
ざるなり」
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
その
形
(
かたち
)
きわめて醜怪なるものなりき。女の
婿
(
むこ
)
の里は
新張
(
にいばり
)
村の何某とて、これも川端の家なり。その主人
人
(
ひと
)
にその
始終
(
しじゅう
)
を語れり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それで、その
當時
(
とうじ
)
の
人
(
ひと
)
が
住居
(
じゆうきよ
)
した
跡
(
あと
)
が
海岸
(
かいがん
)
附近
(
ふきん
)
に
遺
(
のこ
)
つてゐて、かれ
等
(
ら
)
が
食
(
く
)
つてすてた
貝殼
(
かひがら
)
や、
魚
(
さかな
)
や
獸
(
けだもの
)
の
骨
(
ほね
)
などがたまつてゐる
所
(
ところ
)
があります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
ここには四五人
人
(
ひと
)
がいる。だが一人も女はいない。何んとなく刀気が感じられる。これは武器庫に相違ないよ。随分沢山
蔵
(
しま
)
ってあるらしい。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
又
(
また
)
なんじら
我
(
わ
)
が
名
(
な
)
のために
凡
(
すべ
)
ての
人
(
ひと
)
に
憎
(
にく
)
まれん。されど
終
(
おわり
)
まで
耐
(
た
)
え
忍
(
しの
)
ぶものは
救
(
すく
)
わるべし。この
町
(
まち
)
にて、
責
(
せ
)
めらるる
時
(
とき
)
は、かの
町
(
まち
)
に
逃
(
のが
)
れよ。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
鬼面
(
きめん
)
人
(
ひと
)
を
脅
(
おど
)
す
悪戯
(
いたずら
)
っぽい趣味がおありらしい。「まだ生きるよ、死んだらこんどは、神様になって
弗
(
ドル
)
のおサイ銭を取ってやる」
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
○
人
(
ひと
)
無茶苦茶に後世を呼ぶは、
猶
(
なほ
)
救け舟を呼ぶが如し。身の
半
(
なかば
)
は
既
(
はや
)
葬られんとするに当りて、せつぱつまりて出づる声なり。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
事
(
こと
)
に
依
(
よ
)
つたら、
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
たちの
有
(
も
)
つてゐる
主
(
しゆ
)
の
御血汐
(
おんちしほ
)
で、この
身
(
み
)
が
癒
(
なほ
)
るかも
知
(
し
)
れぬ。
血
(
ち
)
を
思
(
おも
)
ふことも
度々
(
たびたび
)
だ。この
歯
(
は
)
なら
咬付
(
かみつ
)
ける。
真白
(
まつしろ
)
の
歯
(
は
)
だ。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
「あの
人
(
ひと
)
を
殺
(
ころ
)
して
下
(
くだ
)
さい。」——
妻
(
つま
)
はさう
叫
(
さけ
)
びながら、
盜人
(
ぬすびと
)
の
腕
(
うで
)
に
縋
(
すが
)
つてゐる。
盜人
(
ぬすびと
)
はぢつと
妻
(
つま
)
を
見
(
み
)
た
儘
(
まま
)
、
殺
(
ころ
)
すとも
殺
(
ころ
)
さぬとも
返事
(
へんじ
)
をしない。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
おそれながら、まえもってお願い申しました、小姓頭
人
(
ひと
)
増しのことにつき、御意を得たき儀があって参上つかまつりました。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
先刻
(
さつき
)
美
(
うつく
)
しい
人
(
ひと
)
が
脇
(
わき
)
へ
来
(
き
)
て
席
(
せき
)
を
取
(
と
)
つたが、
言葉
(
ことば
)
が
通
(
つう
)
じないことがわかつたところで、
今
(
いま
)
一
人
(
り
)
の
日本語
(
にほんご
)
のよく
話
(
はな
)
せるお
転婆
(
てんば
)
さんらしい
女
(
おんな
)
と
入替
(
いれかわ
)
つた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
たゞ
男
(
をとこ
)
を
怨
(
うら
)
んで
呪
(
のろ
)
ひ、
自分
(
じぶん
)
を
嘲
(
わら
)
ひ、
自分
(
じぶん
)
を
憐
(
あはれ
)
み、
殊
(
こと
)
に
人
(
ひと
)
の
物笑
(
ものわら
)
ひの
的
(
まと
)
となる
自分
(
じぶん
)
を
思
(
おも
)
つては
口惜
(
くや
)
しさに
堪
(
た
)
へられなかつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
二人
(
ふたり
)
は、
子供
(
こども
)
を
抱
(
だ
)
いて
明
(
あか
)
るい
通
(
とほ
)
りから
折
(
を
)
れて、
暗
(
くら
)
い
道
(
みち
)
を
歩
(
ある
)
いた。
暗
(
くらい
)
い
所
(
ところ
)
に
來
(
き
)
ても、
銀座
(
ぎんざ
)
の
明
(
あか
)
るみを
歩
(
ある
)
く
人
(
ひと
)
の
足音
(
あしおと
)
は
聞
(
きこ
)
えた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“人”を含む語句
良人
主人
大人
美人
情人
巨人
人間
夫人
何人
他人
老人
家人
支那人
狂人
人形
日本人
商人
一人
婦人
旅人
...