“引戻”の読み方と例文
読み方割合
ひきもど100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今日こんにちは、」と、声を掛けたが、フト引戻ひきもどさるるようにしてのぞいて見た、心着こころづくと、自分が挨拶あいさつしたつもりの婦人おんなはこの人ではない。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
結局、いつもの通り、湖の岐入とS川との境の台地下へボートを引戻ひきもどし、蘆洲の外の馴染なじみの場所にめて、復一は湖の夕暮に孤独こどくを楽しもうとした。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
赤崎才市の手が伸びると、お染の帯際を取ってグイと引戻ひきもどしました。パッと燃ゆる紅のもすそ、夕陽が紅葉に反映して、才市の血を好む心をいら立たせます。
大江戸黄金狂 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)