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ひきもど
ふりがな文庫
“
引戻
(
ひきもど
)” の例文
「
今日
(
こんにち
)
は、」と、声を掛けたが、フト
引戻
(
ひきもど
)
さるるようにして
覗
(
のぞ
)
いて見た、
心着
(
こころづ
)
くと、自分が
挨拶
(
あいさつ
)
したつもりの
婦人
(
おんな
)
はこの人ではない。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
結局、いつもの通り、湖の岐入とS川との境の台地下へボートを
引戻
(
ひきもど
)
し、蘆洲の外の
馴染
(
なじみ
)
の場所に
舶
(
と
)
めて、復一は湖の夕暮に
孤独
(
こどく
)
を楽しもうとした。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
赤崎才市の手が伸びると、お染の帯際を取ってグイと
引戻
(
ひきもど
)
しました。パッと燃ゆる紅の
裳
(
もすそ
)
、夕陽が紅葉に反映して、才市の血を好む心をいら立たせます。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
縁附
(
えんづ
)
きてより
巳
(
すで
)
に
半年
(
はんとし
)
となるに、
何
(
なに
)
一つわが
方
(
かた
)
に
貢
(
みつ
)
がぬは
不都合
(
ふつがふ
)
なりと
初手
(
しよて
)
云々
(
うん/\
)
の約束にもあらぬものを
仲人
(
なかうど
)
の
宥
(
なだ
)
むれどきかず
達
(
たつ
)
て娘を
引戻
(
ひきもど
)
したる母親
有之候
(
これありそろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
『
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
、お
前
(
まへ
)
に
鬼神
(
きじん
)
の
勇
(
ゆう
)
があればとて、あの
澤山
(
たくさん
)
の
猛獸
(
まうじう
)
と
鬪
(
たゝか
)
つて
何
(
なに
)
になる。』と
矢庭
(
やにわ
)
に
彼
(
かれ
)
の
肩先
(
かたさき
)
を
握
(
つか
)
んで
後
(
うしろ
)
へ
引戻
(
ひきもど
)
した。
此時
(
このとき
)
猛犬稻妻
(
まうけんいなづま
)
は、
一聲
(
いつせい
)
銃
(
するど
)
く
唸
(
うな
)
つて
立上
(
たちあが
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
始め
暫時
(
しばし
)
其所に
待居
(
まちゐ
)
ければ此は如何なる事やと思ひける中程もあらせず城下の方より
汗馬
(
かんば
)
に
鞭
(
むち
)
を
當
(
あて
)
御巡見使よりの御
差※
(
さしづ
)
なり九助を早々
引戻
(
ひきもど
)
せと
大音
(
だいおん
)
に呼はるを
聞
(
きゝ
)
檢使の役人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
往
(
い
)
んで
欲
(
ほ
)
しいとは
思
(
おも
)
へども、
小鳥
(
ことり
)
の
脚
(
あし
)
に、
氣儘少女
(
きまゝむすめ
)
が、
囚人
(
めしうど
)
の
鎖
(
くさり
)
のやうに
絲
(
いと
)
を
附
(
つ
)
けて、ちょと
放
(
はな
)
しては
引戻
(
ひきもど
)
し、
又
(
また
)
飛
(
と
)
ばしては
引戻
(
ひきもど
)
すがやうに、お
前
(
まへ
)
を
往
(
い
)
なしたうもあるが、
惜
(
を
)
しうもある。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
今日
(
こんにち
)
は、」と、
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けたが、フト
引戻
(
ひきもど
)
さるゝやうにして
覗
(
のぞ
)
いて
見
(
み
)
た、
心着
(
こゝろづ
)
くと、
自分
(
じぶん
)
が
挨拶
(
あいさつ
)
したつもりの
婦人
(
をんな
)
はこの
人
(
ひと
)
ではない。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
恐
(
おそ
)
れ
密
(
ひそか
)
に
腰元
(
こしもと
)
お竹に頼みしかば吉三郎が
後
(
あと
)
を
追駈
(
おつかけ
)
來りしなり
扨
(
さて
)
お竹は吉三郎に
對
(
むか
)
ひお菊樣が
貴郎
(
あなた
)
に是非お
逢成
(
あひなさ
)
れ度との事成ば先々
此方
(
こなた
)
へ來り給へと手を取
引戻
(
ひきもど
)
すゆゑ吉三郎
偖
(
さて
)
は娘の心は變らず我を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
自動車
(
じどうしや
)
を
引戻
(
ひきもど
)
し、ひらりと
下
(
お
)
りるのに、
私
(
わたし
)
も
続
(
つゞ
)
くと、
雨
(
あめ
)
にぬれた
草
(
くさ
)
の
叢
(
むら
)
に、
優
(
やさ
)
しい
浅黄
(
あさぎ
)
の
葉
(
は
)
を
掛
(
か
)
けて、ゆら/\と
咲
(
さ
)
いたのは、
手弱女
(
たをやめ
)
の
小指
(
こゆび
)
さきほどの
折鶴
(
をりづる
)
を
乗
(
の
)
せよう
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まさかに
聞
(
き
)
いたほどでもあるまいが、
其
(
それ
)
が
本当
(
ほんたう
)
ならば
見殺
(
みごろし
)
ぢや、
何
(
ど
)
の
道
(
みち
)
私
(
わたし
)
は
出家
(
しゆつけ
)
の
体
(
からだ
)
、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れるまでに
宿
(
やど
)
へ
着
(
つ
)
いて
屋根
(
やね
)
の
下
(
した
)
に
寝
(
ね
)
るには
及
(
およ
)
ばぬ、
追着
(
おツつ
)
いて
引戻
(
ひきもど
)
して
遣
(
や
)
らう。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
思出
(
おもいだ
)
しても気味の悪い処ですから、耳は、
尖
(
とが
)
り、目は、たてに裂けたり、というのが、じろりと
視
(
み
)
て、穂坂の
矮小僧
(
ちびこぞう
)
、
些
(
ち
)
と
怯
(
おど
)
かして
遣
(
や
)
ろう、でもって、魚市の辻から、ぐるりと
引戻
(
ひきもど
)
されたろうと
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
戻
常用漢字
中学
部首:⼾
7画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出