うど)” の例文
掛りうどのやうな奉公人のやうな、店中の者にうらやまれる樂な奉公をさして頂き、それから引續いて、今の御主人の厄介になつて居ります。
一種のかかうどとしてお筆は溝口家に身を寄せることになったのである。
有喜世新聞の話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「越前屋の先の女房の母親で、死んだお菊の祖母さんだが、かゝうどに違ひないから、後添ひの今の内儀おかみとは、どうもしつくり行かない樣子だ」
一種のかかうどとしてお筆は溝口家に身を寄せることになったのである。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お富といふのは二十七八の平凡な女で、これは出戻りのかゝうど、皆んなと一緒に寶掘りをやつて居たといふだけのことです。
この上は主人の鈴川主水もんどと、かゝりうどの杵太郎に逢つて、訊けるだけを聽き出し、それから證據を手繰たぐるほかはありません。
主人のをひ——と言つても義理の甥なんださうで、かゝうどの與茂吉、二十二三の良い若い者ですが、少しばかり學があつて、筆跡が良いから帳面を
主人のおい——と言っても義理の甥なんだそうで、かかうどの与茂吉、二十二三の良い若い者ですが、少しばかり学があって、筆跡が良いから帳面を
かかうどのお半というのは無類のお人好しで、顔はまずいが気立ての良い女だ。染五郎とお絹のことというと夢中になる」
かゝうどのお半といふのは無類のお人好しで、顏はまづいが氣立ての良い女だ。染五郎とお絹のことといふと夢中になる」
「近所で知らない者はありやしません。あの殺されたお駒といふのは、かゝうどには違ひないが、二年も前から、伜の習之進と夫婦だつたんですぜ」
それをなだめて引退らせると、つづいて自分から進んで、かかうどの寺本山平という浪人者が逢いたいと言って来ました。
もう一人はお半と言つて丸屋のかゝうどですが、死んだ六兵衞の女房のめひで、取つて二十二になる小意氣な年増女です。
もう一人はお半といって丸屋のかかうどですが、死んだ六兵衛の女房のめいで、とって二十二になる小意気な年増女です。
「それから、かゝうどきね太郎。まだ十六、七の若衆姿で、きりゝとした、苦味走つた良い男。人によつては、此方の方が良いといふかも知れません」
もう一人はかゝうどの若い浪人者、いほり平太郎といふ人が八王子まで搜しに行つて見付けて來たお舟といふ娘ですがね。
「それじゃ他のことを訊くが——あのお茂与という女は、この家の何だえ。かかうどのようでもあり、召使のようでもあり、親類のようでもあるが——」
それからもう一人、主人大坪石見のをひで、宇佐川鐵馬といふもつともらしい四十男が、小峰右内の手傳ひをして、十年越し此屋敷のかゝうどになつて居ります。
それを迎へて一番喜んだのは許嫁のお延で、かゝうどの清五郎、傳四郎の妹のお吉も、不幸中にホツとした樣子です。
二人の若い女といふのは、嫁のお玉と、かゝりうどのお鐵で、これは下女代りに働いて居る女と後でわかりました。
「上總屋のめひで、掛りうどになつてゐるお紋といふ、少し鐵火てつくわだが、滅法綺麗なのが、向柳原の叔母の知合ひで」
「清水和助といふ町一番の大地主で、苗字めうじまで名乘る家のかゝうど、お夏といふ十八になる娘が盜まれましたよ」
「清水和助という町一番の大地主で、苗字みょうじまで名乗る家のかかうど、お夏という十八になる娘が盗まれましたよ」
「それぢや他のことを訊くが——あのお茂與もよといふ女は、この家の何んだえ。かゝうどのやうでもあり、召使ひのやうでもあり、親類のやうでもあるが——」
支配人半九郎、かゝうど與七、手代榮吉、下女お文、お今——などの身許調べは下つ引五六人を狩り出して、手一杯に働かせたことは言ふまでもありません。
手代の與左吉、下女のお作、これは寶掘りのチヤムピオンで、それにかゝうどのお富、養子の草之助、居候ゐさふらふの吉太郎まで、ぞろ/\とつながつて歸りました。
主人夫婦始め、娘のお清も、掛りうどの瀧山誠之進も、下女のお近も、床へ入つたのは子刻こゝのつ(十二時)近い頃。
それからもう一人、主人大坪石見のおいで、宇佐川鉄馬というもっともらしい四十男が、小峰右内の手伝いをして、十年越しこの屋敷のかかうどになっております。
支配人半九郎、かかうど与七、手代栄吉、下女お文、お今——などの身許調べは下っ引五六人を駆り出して、手いっぱいに働かせたことは言うまでもありません。
だが、遠縁のかゝうど清五郎と、鳶頭とびがしらの文次は早くも橋番所に駈けて行きました。その間に柳屋の幸七は
お勝手に居たかゝうどのお鐵といふのが、一緒に飛込んで介抱したが、もう虫の息も無かつたといふことで
かゝうどの杉本殿が自害をして相果てたが、御隱居の大奧樣が、一應調べて頂きたいと仰しやるのでな。
それが濟むまではおとむらひの支度も出來ず、人々はたゞザワザワと騷ぐだけ、御近所の衆は、一應顏を出して居る樣子ですが、かゝうどで遠縁のお谷が、一手に引受けて
それは佐渡屋のかゝうど、色白で可愛らしい——その癖、先の日、平次の周到な調べに逢つても、少しも冷たさを緩和しなかつた、あのお夏の取亂した姿だつたのです。
「縁側の雨戸に締りがなかつたので、不思議に思つて調べて見ると、甥の音次郎と遠縁のかゝうどお京の姿が見えないばかりでなく、お京の部屋から書き置きが出て來た」
飛んで來たのは、かゝうどの喜八郎と、今起きたらしい、せがれの久太郎でした。大地の上を泳ぎ廻るお竹を掻きのけて、朝陽あさひが一パイに入つて居る、下男部屋を一と眼——。
「すると、お孃樣と、手代の新六郎さんと、かゝうどのお銀さんは、從兄妹いとこ同士になるわけで?」
めひのお梅といふので——姪といつてはゐるが遠い縁續きの女ださうで此家のかゝうどですよ」
今朝麻布あざぶに不思議な殺しがあつたんですよ——六本木の大黒屋清兵衞の伜の清五郎が、軒の下に芋刺いもざしになつて死んでゐて、かゝうどの何んとかいふ娘に下手人の疑いが掛つたから
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
増田屋のかゝうどで、近頃來たばかりの浪人者——用人棒といふにしては人柄の良い、椿三千麿つばきみちまろといふ若い武家が、外から歸つて來て、庭木戸の外から此ていを見た、月が良いから
「お婿むこさんの眞太郎さんは、好い男だけれど生れつき身體が弱い上に、——おしうとさんの八郎兵衞さまは、そりや良いお年寄だけれど、小姑こじうとや、かゝりうどが三人もあるんですもの」
もう一つはかかうどの浅井朝丸で、これは文字もあり、腕もよく、ひとかどの人間には違いありませんが、少し道楽が過ぎるので、お勇には受けが悪く、一時は若葉を妻に申受けて
しんやまひの持病があつて、寢たり起きたり、奧は若くて美しい後妻のおはま采配さいはいを振ひ、店は叔父と言つても、遠縁の掛りうどけい之助と、働き者の手代の喜三郎に任せて、手堅い商賣と
かかうどの浅井朝丸様、殿様の遠い甥御おいごじゃ、これは二十七歳、文武の心得もある」
かゝうどの淺井朝丸樣、殿樣の遠い甥御をひごぢや、これは二十七歳、文武の心得もある」
格子戸を開けて轉げ込んだのは、大黒屋のかゝうど、お北の妹のお吉だつたのです。
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
それから平次はかかうどの浅井朝丸に逢いました。二十七八の髯跡ひげあとの青々としたい男、学問も武芸も相当らしく、わけても銭形平次の近頃の働きにすっかり夢中になっている様子です。
それから平次はかゝうどの淺井朝丸に逢ひました。二十七八の髯跡ひげあとの青々とした好い男、學問も武藝も相當らしく、わけても錢形平次の近頃の働きにすつかり夢中になつてゐる樣子です。
かゝうどの針目正三郎では、どんなに石田清左衞門を邪魔にしたところで、東照宮御聲掛の石田帶刀たてはきを祖先に持ち、先代の愛臣——用人とは言ひ乍らも、公儀に知られた名士石田清左衞門に
「左隣には菊屋のかゝうどで、遠縁の清五郎、右隣には柳屋の幸七が居たさうです。清五郎の左は五人の若い娘達、幸七の右隣には、番頭の孫作や、鳶頭の文次、手代の伴造などが居たやうで」