稼業しょうべえ)” の例文
「ほんとにおめえには、気の毒だよ。遊びてえ盛りを、こうやっておいらといっしょに、がな一にち辻に立って、稼業しょうべえするんだからなあ」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ちっ、困ったなあ」腕組みをほどいた文次が、「この稼業しょうべえばかりは何からどう糸を引くかしれねえから、では、ちょっくら出張って——」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「どうしてどうして、勘の言い草じゃあねえが、弁財天といわれる師匠の足だ。めったに拝見できるもんじゃあねえ。これも岡っ引の役徳で、稼業しょうべえ冥利よなあ、師匠。」
なあ、俺も不浄が稼業しょうべえでね、根掘り葉掘り嫌なことを言い出すかも知れねえが、気にさえねえでおくんなせえよ。乙にかくしたり絡んだりされるてえと事あ面倒だ。一つ直に談合しようじゃごわせんか。
「だが、貴様、置き引きが稼業しょうべえだというじゃあねえか」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)