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稼業
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かげふ
ふりがな文庫
“
稼業
(
かげふ
)” の例文
「元柳橋のところに、繋いである筈です。爲五郎が釣船に使つて居ましたが、近頃金が入つて、
稼業
(
かげふ
)
も投つたらかしのやうですから」
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
然
(
さ
)
まで
案
(
あん
)
ずる
事
(
こと
)
はあるまい。
交際
(
つきあひ
)
のありがちな
稼業
(
かげふ
)
の
事
(
こと
)
、
途中
(
とちう
)
で
友
(
とも
)
だちに
誘
(
さそ
)
はれて、
新宿
(
しんじゆく
)
あたりへぐれたのだ、と
然
(
さ
)
う
思
(
おも
)
へば
濟
(
す
)
むのであるから。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
室蘭線の停車場
苫小牧
(
とまこまい
)
で料理店をやつてゐるかみさんだが、その
稼業
(
かげふ
)
では儲けが少いので、人のやらない事業をと思つて、そこに考へがついたのださうだ。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
肝腎
(
かんじん
)
の
稼業
(
かげふ
)
のお稽古もしないで、
色情
(
さかり
)
のついた犬みたやうに、一體
何處
(
どこ
)
を
彷徨
(
うろつ
)
いて歩いてゐるんだよ。
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
何で乳くさい子供の顔見て
発心
(
ほつしん
)
が出来ませう、遊んで遊んで遊び抜いて、
呑
(
の
)
んで呑んで呑み尽して、家も
稼業
(
かげふ
)
もそつち
除
(
の
)
けに
箸
(
はし
)
一本もたぬやうに成つたは
一昨々年
(
さきおととし
)
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
名誉とは何事です、誰の名誉に関はるのです、殺人と
掠奪
(
りやくだつ
)
を
稼業
(
かげふ
)
にする
汝等
(
なんぢら
)
に、何で人間の名誉がありませうか、——
女性
(
によせい
)
全体の権利と安寧との為めに、必ず之を公にして、社会の制裁力を
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「
毆
(
なぐ
)
るよ、八。金儲けが好きで、こんな
稼業
(
かげふ
)
が勤まるかよ。小泥棒を追ひ廻してるこちとらぢやないか、馬鹿々々しい」
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
なん
)
で
乳
(
ちゝ
)
くさい
子供
(
こども
)
の
顏
(
かほ
)
見
(
み
)
て
發心
(
ほつしん
)
が
出來
(
でき
)
ませう、
遊
(
あそ
)
んで
遊
(
あそ
)
んで
遊
(
あそ
)
び
拔
(
ぬ
)
いて、
呑
(
の
)
んで
呑
(
の
)
んで
呑
(
の
)
み
盡
(
つく
)
して、
家
(
いへ
)
も
稼業
(
かげふ
)
もそつち
除
(
の
)
けに
箸
(
はし
)
一
本
(
ぽん
)
もたぬやうに
成
(
な
)
つたは
一昨々年
(
さきおとゝし
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
なに
)
も
稼業
(
かげふ
)
なら
可
(
い
)
いではないか、
天秤棒
(
てんびんぼう
)
を
擔
(
かつ
)
いだつて
楫棒
(
かぢぼう
)
を
握
(
にぎ
)
つたつて、
誰
(
だれ
)
に、
何
(
なに
)
が
極
(
きま
)
りが
惡
(
わる
)
いね。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大違
(
おほちげ
)
エよ、此夏脚気踏み出して
稼業
(
かげふ
)
は出来ねエ、
嬶
(
かゝあ
)
は
情夫
(
をとこ
)
と
逃走
(
かけおち
)
する、腰の
立
(
たゝ
)
ねエ
父
(
おや
)
が、乳の
無
(
ね
)
い子を抱いて泣いてると云ふ世話場よ、そこで養育院へ送られて、当時
頗
(
すこぶ
)
る安泰だと云ふことだ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「あなたはいいか知れませんが、わたしの
稼業
(
かげふ
)
の爲めにはなりません。」
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
「濟まなかつたな、朝つぱら飛込んで。
稼業
(
かげふ
)
が稼業だから、忙しくなると、遠慮ばかりもしてゐられないのだよ」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夫
(
それ
)
よりは
氣
(
き
)
を
取直
(
とりなほ
)
して
稼業
(
かげふ
)
に
精
(
せい
)
を
出
(
だ
)
して
少
(
すこ
)
しの
元手
(
もとで
)
も
拵
(
こしら
)
へるやうに
心
(
こゝろ
)
がけて
下
(
くだ
)
され、お
前
(
まへ
)
に
弱
(
よは
)
られては
私
(
わたし
)
も
此子
(
このこ
)
も
何
(
ど
)
うする
事
(
こと
)
もならで、
夫
(
それ
)
こそ
路頭
(
ろたう
)
に
迷
(
まよ
)
はねば
成
(
な
)
りませぬ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勉強
(
べんきやう
)
は
出來
(
でき
)
ず、
稼業
(
かげふ
)
の
仕事
(
しごと
)
は
捗取
(
はかど
)
らず、
持餘
(
もてあま
)
した
身體
(
からだ
)
を
春寒
(
はるさむ
)
の
炬燵
(
こたつ
)
へ
投
(
はふ
)
り
込
(
こ
)
んで、
引被
(
ひつかつ
)
いでぞ
居
(
ゐ
)
たりけるが、
時々
(
とき/″\
)
掛蒲團
(
かけぶとん
)
の
襟
(
えり
)
から
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
して、あゝ、うゝ、と
歎息
(
ためいき
)
して、ふう
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
主人
(
あるじ
)
と同年輩の四十五六、同じ
稼業
(
かげふ
)
には相違ありませんが、これは人に金を貸す方ではなく、始終借りて居る方で、酒も呑み、遊びも好き、
身裝
(
みなり
)
も相當で
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それよりは気を取直して
稼業
(
かげふ
)
に精を出して少しの元手も
拵
(
こしら
)
へるやうに心がけて下され、お前に弱られては私もこの子もどうする事もならで、それこそ路頭に迷はねば成りませぬ
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「久し振りだね、彦兄イ。眼と鼻の間に住んでゐても、
稼業
(
かげふ
)
が違ふと、斯うも逢はないものか」
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ところが、江戸の町の眞ん中を、存分に駈け出しても、一向人の驚かない
稼業
(
かげふ
)
がある」
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「成程、それは大變だらう、——お前の父さんといふのは何だえ、
稼業
(
かげふ
)
は?」
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いろ/\見えましたよ。私はこんな
稼業
(
かげふ
)
をしてゐる位ですから、年にしちや眼の良いのが自慢で、師匠が毎日晝湯へ入つて來て、大肌脱で化粧する圖には當てられ續けて居りますが——」
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「直助が承知で
釣
(
つ
)
つたんだらう。——兎に角、あの男の
稼業
(
かげふ
)
をもつとよく知り度い。氣の毒だが下つ引を四五人
狩
(
か
)
り出して、直助の身許と身上と商賣のことを、もつとよく調べ拔いてくれ」
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「永い間斯んな
稼業
(
かげふ
)
をして居るが、變死人を見るのはつく/″\厭だな」
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「なアーにそれに及ぶのか、惡者を縛るのがこちとらの
稼業
(
かげふ
)
だ」
銭形平次捕物控:157 娘の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“稼業”の意味
《名詞》
生活を維持するための仕事。なりわい。
(出典:Wiktionary)
稼
常用漢字
中学
部首:⽲
15画
業
常用漢字
小3
部首:⽊
13画
“稼業”で始まる語句
稼業柄
稼業人
稼業替
稼業用
稼業冥利