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持餘
後に
立出けり然ば九郎兵衞は是より百姓になり
消光處に
良らぬ事のみ多ければ村方にても
持餘し
何も
呆れ果ては居けれども九郎兵衞は
狡猾き者故
勿々越度を
色々と
折檻もして
見たが
無駄なので
親父も
持餘し、
遂にお
寺樣と
相談した
結極が
斯いふ
親子の
問答になつた。
勉強は
出來ず、
稼業の
仕事は
捗取らず、
持餘した
身體を
春寒の
炬燵へ
投り
込んで、
引被いでぞ
居たりけるが、
時々掛蒲團の
襟から
顏を
出して、あゝ、うゝ、と
歎息して、ふう