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引
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ひつ
ふりがな文庫
“
引
(
ひつ
)” の例文
離
(
はな
)
すと、
可
(
い
)
いことに、あたり
近所
(
きんじよ
)
の、
我朝
(
わがてう
)
の
※樣
(
あねさま
)
を
仰向
(
あをむけ
)
に
抱込
(
だきこ
)
んで、
引
(
ひつ
)
くりかへりさうで
危
(
あぶな
)
いから、
不氣味
(
ぶきみ
)
らしくも
手
(
て
)
からは
落
(
おと
)
さず……
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つたる
大形
(
おほがた
)
の
裕衣
(
ゆかた
)
に
引
(
ひつ
)
かけ
帶
(
おび
)
は
黒繻子
(
くろじゆす
)
と
何
(
なに
)
やらのまがひ
物
(
もの
)
、
緋
(
ひ
)
の
平
(
ひら
)
ぐけが
背
(
せ
)
の
處
(
ところ
)
に
見
(
み
)
えて
言
(
い
)
はずと
知
(
し
)
れし
此
(
この
)
あたりの
姉
(
あね
)
さま
風
(
ふう
)
なり
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
吃驚
(
びつくり
)
した鴉は一
足
(
あし
)
二
足
(
あし
)
後方
(
うしろ
)
に
飛
(
と
)
び
退
(
しさ
)
つて、じつと蛇の頭を見てゐたが、急に厭世的な顔をしたと思ふと、その
儘
(
まゝ
)
引
(
ひつ
)
くりかへつて死んで
了
(
しま
)
つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
透
(
すか
)
し見れば彼の
十七屋
(
となや
)
のの飛脚に相違なし
因
(
よつ
)
て重四郎は得たりと
尻
(
しり
)
引
(
ひつ
)
からげて待つほどに
定飛脚
(
ぢやうひきやく
)
と
書
(
かき
)
たりし小田原挑灯を
荷物
(
にもつ
)
の
小口
(
こぐち
)
へ
縊付
(
くゝりつ
)
け三度
笠
(
がさ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
武は
容赦
(
ようしや
)
なくグイと頭を
引
(
ひつ
)
こませる、鱒どのも飛んだ
粗相
(
そさう
)
をしたと気がついて、食ひついた
処
(
ところ
)
をはなす其途端にバシヤリと音して、鱒は舟の
中
(
なか
)
の
擒
(
とりこ
)
となり升た。
鼻で鱒を釣つた話(実事)
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
▼ もっと見る
いきなり
奈良茂
(
ならも
)
の側にあつた
鮫鞘
(
さめざや
)
の
脇差
(
わきざし
)
を
引
(
ひつ
)
こぬいて、ずぶりと向うの胸へ
突
(
つつ
)
こんだんだ。
南瓜
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼女がその靜かな
跫音
(
あしおと
)
を
羅紗
(
らしや
)
の
縁
(
へり
)
でつくつた上靴で消して、廊下を歩いて行くのをじつと見たときとか、ごた/\してまるで
引
(
ひつ
)
くり返したやうな寢室の内を覗いて——多分
日傭女
(
ひやとひをんな
)
に向つて
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
思ひ切つたる
大形
(
おほがた
)
の
裕衣
(
ゆかた
)
に
引
(
ひつ
)
かけ帯は
黒繻子
(
くろじゆす
)
と何やらのまがひ物、
緋
(
ひ
)
の
平
(
ひら
)
ぐけが背の処に見えて言はずと知れしこのあたりの姉さま風なり
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
愚図々々
(
ぐづ/\
)
しては
居
(
ゐ
)
られぬから、
我身
(
わがみ
)
を
笑
(
わら
)
ひつけて、
先
(
ま
)
づ
乗
(
の
)
つた。
引
(
ひつ
)
かゝるやう、
刻
(
きざ
)
が
入
(
いれ
)
てあるのぢやから、
気
(
き
)
さい
確
(
たしか
)
なら
足駄
(
あしだ
)
でも
歩行
(
ある
)
かれる。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
論語は
善
(
よ
)
い本だ。
善
(
よ
)
い本だからと言つて、それで人生が
引
(
ひつ
)
くり
覆
(
かへ
)
るものなら、この世は幾度か
既
(
も
)
う引くり覆つてゐる筈だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
持出
(
もちいだ
)
せば雲助どもは是は有難う御座りますと手ん/″\に五六
杯
(
ぱい
)
ヅツ
引
(
ひつ
)
かける所へ藤八ソレ
肴
(
さかな
)
と
銘々
(
めい/\
)
に金二分
宛
(
づつ
)
遣
(
やる
)
に雲助はイエ親方是は入やせんと
辭退
(
じたい
)
なすを馬鹿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
祖父
(
ぢい
)
さまはそれを
請取
(
うけと
)
り、銀貨を
引
(
ひつ
)
くらかへし、
兎見角見
(
とみかくみ
)
して、新らしい銀貨だと
仰
(
おつしや
)
つて二ツとも
其
(
その
)
まゝ私に下すつて、まだ
書物
(
かきもの
)
があるからといつて急に私にあちらへ行けと
仰
(
おつしや
)
り
升
(
まし
)
たから
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
裸
(
はだか
)
で
飛込
(
とびこ
)
んだ、
侍方
(
さむらひがた
)
、
船
(
ふね
)
に
寄
(
よ
)
りは
寄
(
よ
)
つたれども、
燃
(
も
)
え
立
(
た
)
つ
炎
(
ほのほ
)
で
手
(
て
)
が
出
(
だ
)
せぬ。
漸
(
やつ
)
との
思
(
おも
)
ひで
船
(
ふね
)
を
引
(
ひつ
)
くら
返
(
かへ
)
した
時分
(
じぶん
)
には、
緋鯉
(
ひごひ
)
のやうに
沈
(
しづ
)
んだげな。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
博士は指先で充血した眼の
上瞼
(
うはまぶた
)
を
撮
(
つま
)
んで、
酸漿
(
ほほづき
)
のやうに
引
(
ひつ
)
くり返さうとしたが、直ぐ鼻先に邪魔物が飛び出してゐて、どうも思ふやうにならない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
切下
(
きりさげ
)
られあつと玉ぎる一聲と共に落せし提灯の
發
(
ぱつ
)
と
燃立
(
もえたつ
)
其
明
(
あか
)
りに見れば兄なる長庵が
坊主天窓
(
ばうずあたま
)
へ
頬冠
(
ほゝかぶ
)
り
浴衣
(
ゆかた
)
の
尻
(
しり
)
を
引
(
ひつ
)
からげ顏を
背
(
そむ
)
けて其場に
彳
(
たゝず
)
み持たる
脇差
(
わきざし
)
取直し
再度
(
ふたゝび
)
斯
(
かう
)
よと
飛蒐
(
とびかゝ
)
るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
可
(
よ
)
からう、
可
(
よ
)
からう、そりやざぶりとぢや。」と
桶
(
をけ
)
を
倒
(
さかしま
)
にして、
小兒
(
こども
)
の
肩
(
かた
)
から
我
(
わ
)
が
背中
(
せなか
)
へ
引
(
ひつ
)
かぶせ
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
Kは
脳振盪
(
なうしんたう
)
を起してその
儘
(
まゝ
)
引
(
ひつ
)
くり返つて死んで
了
(
しま
)
つた。相手は相変らず
身動
(
みうごき
)
もしない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それから
僕
(
ぼく
)
の
内
(
うち
)
の
橋
(
はし
)
の
下
(
した
)
を、あのウ
舟
(
ふね
)
漕
(
こ
)
いで
行
(
ゆ
)
くのが
何
(
なん
)
だか
唄
(
うた
)
つて
行
(
ゆ
)
くけれど、
何
(
なに
)
をいふんだかやつぱり
鳥
(
とり
)
が
声
(
こゑ
)
を
大
(
おほ
)
きくして
長
(
なが
)
く
引
(
ひつ
)
ぱつて
鳴
(
な
)
いてるのと
違
(
ちが
)
ひませんもの。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
小戻
(
こもど
)
りして、
及腰
(
およびごし
)
に、
引
(
ひつ
)
こ
拔
(
ぬ
)
くやうにバスケツトを
掴
(
つか
)
んで、
慌
(
あわ
)
てて
辷
(
すべ
)
つて、
片足
(
かたあし
)
で、
怪飛
(
けしと
)
んだ
下駄
(
げた
)
を
搜
(
さが
)
して
逃
(
に
)
げた。
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
さうな
顏
(
かほ
)
をしたが、
女
(
をんな
)
もそツと
立
(
た
)
つて
來
(
く
)
る。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
よくせき
土地
(
とち
)
が
不漁
(
しけ
)
と
成
(
な
)
れば、
佐渡
(
さど
)
から
新潟
(
にひがた
)
へ……と
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
は、
枕返
(
まくらがへ
)
し、と
云
(
い
)
ふ
妖怪
(
ばけもの
)
に
逢
(
あ
)
つたも
同然
(
どうぜん
)
、
敷込
(
しきこ
)
んだ
布團
(
ふとん
)
を
取
(
と
)
つて、
北
(
きた
)
から
南
(
みなみ
)
へ
引
(
ひつ
)
くりかへされたやうに
吃驚
(
びつくり
)
した。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
蛇
(
じや
)
の
目
(
め
)
の
傘
(
からかさ
)
脊筋
(
せすぢ
)
さがりに
引
(
ひつ
)
かつぎたるほどこそよけれ、たかひくの
路
(
みち
)
の、ともすれば、ぬかるみの
撥
(
はね
)
ひやりとして、
然
(
さ
)
らぬだに
我
(
わ
)
が
心
(
こゝろ
)
覺束
(
おぼつか
)
なきを、やがて
追分
(
おひわけ
)
の
方
(
かた
)
に
出
(
いで
)
んとして
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
わたし
)
は
最
(
も
)
う、それまでに、
幾度
(
いくたび
)
も
其
(
そ
)
の
渦
(
うづ
)
にくる/\と
卷
(
ま
)
かれて、
大
(
おほき
)
な
水
(
みづ
)
の
輪
(
わ
)
に、
孑孑蟲
(
ぼうふらむし
)
が
引
(
ひつ
)
くりかへるやうな
形
(
かたち
)
で、
取
(
と
)
つては
投
(
な
)
げられ、
掴
(
つか
)
んでは
倒
(
たふ
)
され、
捲
(
ま
)
き
上
(
あ
)
げては
倒
(
たふ
)
されました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
其
(
それ
)
では
家
(
うち
)
へ
帰
(
かへ
)
りませう。)と
米磨桶
(
こめとぎをけ
)
を
小脇
(
こわき
)
にして、
草履
(
ざうり
)
を
引
(
ひつ
)
かけて
衝
(
つ
)
と
崖
(
がけ
)
へ
上
(
のぼ
)
つた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
手酌
(
てじやく
)
で
引
(
ひつ
)
かけながら
叔父
(
をぢ
)
が
言
(
い
)
つた——
古
(
ふる
)
い
旅籠
(
はたご
)
も
可懷
(
なつかし
)
い。……
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
押
(
おし
)
つくねるやうに
引
(
ひつ
)
かけて
塞
(
ふさ
)
いだのが、とに
角
(
かく
)
一寸
(
ちよつと
)
媚
(
なま
)
めかしい。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“引”の解説
引(いん、yǐn)は中国の伝統的な長さの単位である。1丈の10倍にあたる。実際の長さは時代によって異なる。
『漢書』律暦志に「度者、分・寸・尺・丈・引也。……十分為寸、十寸為尺、十尺為丈、十丈為引。」と見える。
1929年に市制が定められたときには「引」も定義されており、100尺 = 100/3メートル(約33.3m)であった。しかしあまり使われることはなく、中華人民共和国の市制では定義されていない。
(出典:Wikipedia)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
“引”を含む語句
引掛
引剥
誘引
引返
引退
引被
引込
引張
引立
引裂
股引
引懸
引廻
引籠
引越
引取
引傾
承引
引摺
引掴
...