“おうおう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怏々52.1%
往々39.3%
汪々2.6%
鶯鶯1.7%
徃々1.7%
嚶々0.9%
怏怏0.9%
懊々0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれはその頃、すでに小牧の軍勢を収め、清洲をひき払い、浜松城に帰って、怏々おうおうと、楽しまざる数日をここに過していた時だった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何事がなくても、こうした興味がある上に、そこには、往々おうおうにして、滑稽こっけいな、悲惨な、或は物凄い光景が、展開されています。
屋根裏の散歩者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その水の汪々おうおうと流れる涯には、ヘルンの夢みた蓬莱ほうらいのように懐しい日本の島山がある。ああ、日本へ帰りたい。
長江游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「君の鶯鶯おうおうはどこにいるのだ。」と云った。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
頃日けいじつ脱稿だっこうの三十年史は、近時きんじおよそ三十年間、我外交がいこう始末しまつにつき世間につたうるところ徃々おうおう誤謬ごびゅう多きをうれい、先生が旧幕府の時代よりみずから耳聞じぶん目撃もくげきして筆記にそんするものを
廊下に立ちながらかごを命じ、持って来るを、手では、と懐に入れながら、見霽みはらしの湯島の空を眺めている内、いかなる名鳥か嚶々おうおうとして、三たび、梓の胸に鳴いたのである。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして魂のぬけた人のようになって怏怏おうおうとして帰ったが、家へ帰ると花を枕の底にしまって、うつぶしになって寝たきりものもいわなければ食事もしなかった。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
それも、懊々おうおうとして眠らずにいた南の同心加山躍蔵ようぞうであった。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)