“往々(まゝ)” の例文
顏色(かほいろ)は蒼白(あをじろ)く、姿(すがた)は瘠(や)せて、初中終(しよつちゆう)風邪(かぜ)を引(ひ)き易(やす)い、少食(せうしよく)で落々(おち/\)眠(ねむ)られぬ質(たち)、一杯(ぱい)の酒(さけ)にも眼(め)が廻(まは)り、往々(まゝ)ヒステリーが起(おこ)るのである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
着たるは一郷(がう)に往々(まゝ)ある事加之(そのうへ)女が死骸も他人にて白妙(しろたへ)に相違なし然らば惣内里では有まじサア有體(ありてい)に白状致せ左右(とかく)強情を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
興味があるから、つい家(うち)から遠く離れて、歸途(かへり)には往々(まゝ)とんだ怖(おそ)ろしい思をする事もある。けれども螢に浮(うか)されて、半分は夢中になツてゐるのだから家の遠くなる事などは氣が付かう筈が無い。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
話(はなし)には前(さき)の院長(ゐんちやう)は往々(まゝ)病院(びやうゐん)のアルコールを密賣(みつばい)し、看護婦(かんごふ)、婦人患者(ふじんくわんじや)を手當次第(てあたりしだい)妾(めかけ)としてゐたと云(い)ふ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
持(もつ)て野道(のみち)山路(やまみち)は云も更なり都合(つがふ)に因(より)ては朝(あさ)は星(ほし)を戴(いたゞ)き暮(くれ)には月を踏(ふん)で旅行(りよかう)なす事往々(まゝ)あるにより先生を頼(たの)み劔術を學(まな)びなば道中爲(する)にも心強く且(かつ)賊難(ぞくなん)を防(ふせ)ぐ一端共成事なれば此趣きを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
恁(か)くて後(のち)、猶(なほ)二人(ふたり)の話(はなし)は一時間(じかん)も續(つゞ)いたが、其(そ)れより院長(ゐんちやう)は深(ふか)く感動(かんどう)して、毎日(まいにち)、毎晩(まいばん)のやうに六號室(がうしつ)に行(ゆ)くのであつた。二人(ふたり)は話込(はなしこ)んでゐる中(うち)に日(ひ)も暮(く)れて了(しま)ふ事(こと)が往々(まゝ)有(あ)る位(くらゐ)。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
振(ふら)れ否々(いや/\)其方が申す所一ツとして申譯は相成ず欲情(よくじやう)に關(かゝ)りては實の親子(しんし)兄弟の中成とも心得違(ちが)ひの者往々(まゝ)有(ある)事なれば彌々(いよ/\)陳(ちん)ずるに於ては拷問(がうもん)申付るぞ其方が首(くび)に掛し百兩入の財布(さいふ)は則ち平兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)