トップ
>
思切
>
おもいき
ふりがな文庫
“
思切
(
おもいき
)” の例文
その歩きぶりは、全くあてのない散歩でもしている様に見えるが、こうして蘭堂を退屈させて、尾行を
思切
(
おもいき
)
らせる算段かも知れない。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
善々
(
よく/\
)
思切
(
おもいき
)
ったのであろう、それとも無理な才覚をなすって美土代町のお宅でも
悪借金
(
わるじゃっきん
)
………でもありゃアしないかと思われますねえ
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
怨
(
うらみ
)
籠めたる男の声に、お照はさながら電気に打たれたらん如く、全身ぶるぶると顫わせしが、ついに
思切
(
おもいき
)
りて握りし仙太の手を放しつ。
片男波
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
坊主で果てるよりはよほどのましじゃと、
思切
(
おもいき
)
って戻ろうとして、石を放れて身を起した、
背後
(
うしろ
)
から一ツ背中を
叩
(
たた
)
いて
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
影の大統領「ずいぶん
思切
(
おもいき
)
りの悪い奴だ。こんなしぶとい奴とは思わなかった。……まあ、これでいい。すぐ布告するかな。おい副大統領。ここへ来い」
諜報中継局
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
万事万端
思切
(
おもいき
)
りが
能
(
よ
)
くて、世に処し
政
(
まつりごと
)
を料理するにも卑劣でない、
至極
(
しごく
)
面白い気風であるが、何分にも支那流の
磊落
(
らいらく
)
を気取て一身の私を
慎
(
つつ
)
しむことに気が付かぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
思切
(
おもいき
)
り大声を
張上
(
はりあ
)
げて「誰だ!」と
大喝
(
だいかつ
)
一声
(
いっせい
)
叫んだ、すると
先方
(
さき
)
は、それでさも安心した様に、「先生ですか」というのだ、私はその声を聞いて、「
吉田
(
よしだ
)
君かい」というと
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
少
(
すこ
)
し
身体
(
からだ
)
の
工合
(
ぐあい
)
が
悪
(
わる
)
いから、
今日
(
きょう
)
だけ
宿
(
やど
)
に
残
(
のこ
)
っていると、
遂
(
つい
)
に
思切
(
おもいき
)
って
友
(
とも
)
に
云
(
い
)
うたのであった、しかるにミハイル、アウエリヤヌイチは、それじゃ
自分
(
じぶん
)
も
家
(
いえ
)
にいることにしよう
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
中々
(
なかなか
)
逃げそうにもしない、仕方なしに、足でパッと
思切
(
おもいき
)
り蹴って、ずんずん歩き出したが二三
間
(
げん
)
行
(
ゆ
)
くとまた来る、
平時
(
いつも
)
なら自分は「何こんなもの」と
打殺
(
ぶっころ
)
したであろうが、
如何
(
どう
)
した事か
白い蝶
(新字新仮名)
/
岡田三郎助
(著)
それに、今
切落
(
きりおと
)
した娘の黒髪とを形見に残して、喜んで再び庭より飛石伝えに
中門
(
ちゅうもん
)
へ
出
(
い
)
で
行
(
ゆ
)
く姿を見ると、
最早
(
もはや
)
今は全くこの世を
思切
(
おもいき
)
りしものか、不思議な事は、スラリとしたその振袖姿の
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
だから、今夜だけ
思切
(
おもいき
)
り一緒に夜通し唄って
歩
(
ある
)
かしてよ。
渡鳥いつかへる:軽演劇一幕四場
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
い「お前さんの御迷惑になるような事なら
思切
(
おもいき
)
りますけれど、お前さんの御迷惑にならないように死にさえすればようございましょう」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「よろしい、開けましょう」断乎として鴨田が
思切
(
おもいき
)
ったことを云った。「しかし
若
(
も
)
しもこのタンクの中に園長が入っていなかったら君は僕に何を
償
(
つぐな
)
います」
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
思切
(
おもいき
)
って坂道を取って
懸
(
かか
)
った、
侠気
(
おとこぎ
)
があったのではござらぬ、血気に
逸
(
はや
)
ったではもとよりない、今申したようではずっともう
悟
(
さと
)
ったようじゃが、いやなかなかの
臆病者
(
おくびょうもの
)
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母も中々
思切
(
おもいき
)
りの
宜
(
よ
)
い性質で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「私が学校で
要
(
い
)
る教科書が買えなかったので、
親仁
(
おやじ
)
が
思切
(
おもいき
)
って、
阿母
(
おふくろ
)
の
記念
(
かたみ
)
の錦絵を、古本屋に売ったのを、平さんが
買戻
(
かいもど
)
して、
蔵
(
しま
)
っといてくれた。その絵の事だよ。」
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
本来ならば「
丸木花作
(
まるきはなさく
)
事
(
こと
)
本名
(
ほんみょう
)
張学霖
(
ちょうがくりん
)
は……」といった風に書くのが本当なのであるが、それを一々書くのが、
煩
(
わずらわ
)
しい程、××人が出てくることであるから、一つ
思切
(
おもいき
)
って
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
思
常用漢字
小2
部首:⼼
9画
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“思切”で始まる語句
思切悪気